オブツーサ類には多くの種がありますが、産地で分けられていることが多く、外見的には区別のつかないものが多いです。園芸的には種にかかわらず、外見から品種群を分けますが、園芸的区分は次のようになります。
(1) 紫オブト :ドドソン紫などのH.
vista。紫肌丸頭でノギはないかごく短い。
(2) 丸窓オブト:舞姫等のH. joyae。肌完全丸頭(無ノギ)で窓は小さい。
(3) 小型オブト:姫オブト等のH. ikraやH. kubusieなど。濃緑肌、丸頭~やや尖り葉。小型で群生性。
(4) 中型オブト:水晶オブト等のH.
obtusa。濃緑肌でやや尖り頭。
(5) 黒肌オブト:ブラックオブト、竜爪などのH.
obtsa。黒緑肌で尖り頭、中型オブトに似るがより小型。
(6) 巨大型オブト:エンペラーなどのH.
imperialis。薄緑肌でやや軟質葉、非常に大型。
(7) レツサオブト:大紫水晶オブトやジェリーフィッシュなどのレツサ系との交配品種群。雑多なグループだが、一般に葉質は硬く窓は小さい。
ベヌスタとの交配系は繊毛が多い苗はベヌスタ類、少ない苗は外見により紫オブト類や中型オブト類として扱われることが多いです。
宝草錦や京華錦など、シンビ系品種との交配はマリンなどと呼ばれていますが、さらにオブト錦と戻し交配され、オブト錦に非常に近いものが多数作られています。オブト錦として売られていてもマリンの戻し交配であることもしばしばです。しかしこれら戻し交配苗は園芸的には非常に美しいものが多いです。
ボルシー錦などレース系との交配は鋸歯が長くて多い点で区別できますが、オブト錦とは言えません。また園芸的には長くて沢山ある鋸歯は斑の鑑賞上邪魔になります。
その他に、広義のオブツーサ類としては次のようなグループがあります。
H. leightoniiやH. davidii、H. rufousaなどはH. doldiiの子孫で、赤い色素を持っています。
またH. gordonianaやH. tomei、H. harryiなどの系統は青い色素を持っています。
H. aqueaやH. specksiiあるいはH. malvinaなどH. vittata(H. blackbeardiana)の仲間はH. cummingiiの子孫でオブト類とは全く別系統です。
なお品種は外見から類似他品種と区別できることが基本ですから、オブト錦の名前の多くは品種グループ内のクロン名です。ラベルなしで区別できないものは同一品種です
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