今年7月初めに藤枝市の栽培家からハオルシア200本を盗もうとした中国人、田振群が現行犯逮捕されて以来、しばらく盗難の報告はなかったのですが、8月下旬以来3件もの盗難事件が起きています。

まず8月22日には滋賀県長浜市のサボテン業者温室でハオルシア実生中小苗が150本盗まれています。ここはサボテン中心の業者さんですが、ハオルシアのある温室だけが狙われ、他の温室には全く手を付けていません。盗まれたのはまだ顔の出ていない3号鉢の中小苗で、親もそう大したものではないということですから、転売目的ではなく、自分で育て上げるために盗んでいったのではないかと思われます。つまり中国人窃盗団ではなく、日本人の模倣犯の可能性が高いです。

8月24日ころにはカクタスニシで交配種の親株中心に約50本が盗まれたということです。24日ころというのはこの時西氏は長野の交換会に出かけており、その後何日か業者などを回っていて帰ってから盗難に気付いたので、正確な日時が特定できないということです。防犯カメラもあったのですが、時間が経っていてデータが上書きされてしまい、映像は残っていなかったそうです。

またこの事件では玉扇、万象ではなく交配種の親株が狙われ、しかも鉢ごと盗まれているのが大きな特徴です。これらのことからこの事件も中国人窃盗団ではなく、日本人の模倣犯、それも西氏のスケジュールや内部情報をよく知っていた者の可能性が高いです。

さらに9月6日には神奈川県南足柄市の趣味家の温室に泥棒が入り、玉扇、万象の大株ばかり約200本が盗まれました。届け出被害額は1500万円だそうですが、ビッグバンの親株など非常に良いものの大株もあるので、時価では届け出被害額の倍くらいはすると推定されます。写真の通り、ラベルを残して鉢から抜きあげて持って行っており、玉扇、万象ばかりが盗まれているので、これは中国人窃盗団の仕業と思われます。

被害状況被害状況被害状況


この方は地元の方以外その存在を知られておらず、もちろんどのようなコレクションをお持ちかも知られていません。また温室は自宅の近くにありますが、ほとんど人を入れていないということです。それにもかかわらず狙われたとすれば、犯人はどこからその情報を仕入れたのかが焦点になります。

地元の方や最近訪れた方には怪しい方はいないということですが、唯一可能性のあるのが、最近藤枝市で開かれたセリ会です。この方はそこに出品し、かなり良い玉扇、万象も出して高値で落札されています。この時会場には新顔の参加者数人が来ていましたが、その中に中国人の夫婦がいて、参加者名簿の写真を撮っていったということです。

この中国人が犯人ないし下見役であったかはわかりませんが、参加者名簿の写真を撮っていったというのはかなり怪しい行動です。ネットで検索すると名前から住所が特定できるという話ですし、良いナビを使えばピンポイントでその場所まで行けます。したがって参加者名簿の写真を撮れば、出品物の内容を見てその出品者のコレクション内容を知り、さらに住所まで割り出せるわけです。

ハオルシアの著名収集家や業者はどこも警備が非常に厳しくなっているので、窃盗団にとって侵入、盗みだしはかなり難しくなっています。そこで窃盗団は各地のセリ会に目を付け、そこで出品物などから情報を仕入れ、「まさかこんなところまでは来ないだろう」と思っている警備の甘い地方の収集家を狙い出したと思われます。

そこでこれを防止するために各セリ会で次のような対策を取ることをお勧めします。

(1)まず、セリ会ではすべての参加者に住所氏名を書いてもらい身元を確認すること。特に新規参加者には免許証などの提示を求め、その写真を撮っておくこと。また外国人ならパスポートや外国人在留資格認定証明書などの提示を求め、その写真を撮っておくこと。

(2)その参加者名簿は厳重に管理して受付時以外は閲覧禁止とし、写真やコピーなどは一切取らせないこと。書き写しも禁止すること。

(3)出品者には番号を割り振り、セリ順などの表示も番号だけで行うこと。

(4)誰が出品者であるかは秘密事項とし、参加者同士でも知らない人には教えないこと。またこのことをセリ会冒頭に主催者が参加者に要請すること。

 また関東のあるセリ会では高額で落札したハオルシアが会場から盗まれたという話も出ています。落札物やできたら出品物も置く場所を区画し、そこに多数の人が出入りするのを禁止すべきです。高額品が取引されるセリ会では会場に臨時の防犯カメラを設置することも検討してください。費用は1日1台1~2万円程度です。