①H.cummingii 単頭性個体 このような株は全体の30%程度。
例えばH.cummingiiなら①のような写真が掲載されることが多い。産地を訪れた人は被写体としてこのような立派な株を探して写真を取るから、それらの産地写真を見て多くの人がH.cummingiiは単頭性で結構大きくなる植物だと思うであろう。
②H.cummingii 分頭性個体 この程度の群性株が最も多い。
③H.cummingii 分頭性個体 大群生。たぶん複数クローンが生えている。
ところが産地では実際には②や③のように分頭して大群生になっている株が半分以上を占める。
現地株を採集して繁殖する場合、単頭性の株はなかなか仔吹きをしないが、分頭性の株はそれゆえに良く繁殖し、その結果、SheilamでもEdenでも販売されるのはほとんどが小型ですぐ分頭する植物ばかりとなる。H.cummingiiの場合、そのような株は1頭がせいぜい直径5~6cm程度にしかならない。しかし単頭性のH.cummingiiは直径12~13cm以上になり、見事である。
同じく単頭性の立派な株の写真が良く掲載されるH.davidiiでも半分くらいは仔吹性で、したがって繁殖されて販売されるものの多くは仔吹性である。
反対に仔吹性だと思われている例えばH.bellaでも`青い妖精’は仔吹性だが、`白い妖精’はなかなか仔吹しない。そして最初にSheilamから買った10株近い個体の中にはやはりほとんど仔吹せず、単頭のまま大きくなる個体がある。(Sheilam等では初めは山取り個体をそのまま売っていることが多く、単頭性の株も混じっているが、後になると仔吹性の株から繁殖したものばかりになる。)
同様に群生性だと思われているH.ikraやH.kubusieでも中にはほとんど仔吹せず、単頭のまま直径6~7cmくらいまで大きくなる個体があり、H.obtuseと見間違えるほどである。
収集家としては当然単頭性の株が欲しいわけだが、一般に市販されているカキ仔繁殖品はそれから実生してもやはり分頭性や群生性の個体が多い。一方、単頭性の大型株同士から実生したものはH. cummingiiの場合など、半分以上が単頭性らしい(単頭性株は花茎が1本しか上がらないが、分頭性株は2本以上上がる)。
したがって単頭性の株を繁殖するには単頭性株から葉挿しなどで無性繁殖するか、単頭性株同士から実生するしかない。
幸いH.cummingiiやH.bellaなどでは単頭性株から実生が多少できているので、今度のハオルシアフェステバルで販売する予定。
Dr.H
コメント