引き続きブログ記事に以下のコメントを頂きましたので、こちらにて回答致します。
『交配種の登録についてはその是非はともかく理解しました。 しかし原種の登録については納得できません。
そもそも学名は「普通の名称」に当たり、商標登録すること自体がおかしいのではないのですか?商品区分が被ってしまっている以上、リビダやクーペリーなど様々な学名が他の植物でも販売等に使えないという事態が起きますが一体どうするつもりなのでしょう?
また、偽物を駆逐することに使うと書かれていましたが本物の場合はどうするのでしょうか?交配種と同様にこの名称を販売等に使うのならハオルシア協会と契約する必要があるのでしょうか?』
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学名が「普通の名称」に当たるかどうかは特許庁が判断することです。これが登録されたからと言って当会が非難されるいわれは全くありません。
一般的には種名は固有名詞と考えられており、その集合である「種」という言葉(概念)が普通名詞になります。
一般的には種名は固有名詞と考えられており、その集合である「種」という言葉(概念)が普通名詞になります。
H. lividaもLividaも普通名詞ではなく、固有名詞ですし、仮に学名H. lividaが「普通名称」だと判断されたとしても、交配種を含む近似形態の個体群であるLivida(グループ品種)が普通名称であるかどうかは別問題です。
特許庁の審査の基準はその言葉が取引業者や需要者の間で一般的に知られ、使用されているかがポイントです。
特許庁の審査の基準はその言葉が取引業者や需要者の間で一般的に知られ、使用されているかがポイントです。
多肉植物を扱う園芸店やホームセンターの担当者、あるいはハオルシアを買う可能性のある一般の多肉植物愛好家の間で、H. lividaやLividaという言葉がどれくらい知られており、使われているかというと、おそらくほとんどの人は全く知らないでしょう。
およそ30万人から100万人がハオルシアの需要者ですが、このうちマニア層はせいぜい1000人程度です。したがってマニアの間では普通に使われているという意味で普通の名称だとしても、需要者一般の間ではまったく“普通”の名称ではありません。
そもそも例えば「Livida」は学名ではなく、H. lividaとそれに近似した交配種を含むグループ品種名です。
そもそも例えば「Livida」は学名ではなく、H. lividaとそれに近似した交配種を含むグループ品種名です。
それにH. lividaとH. pubescensは同じ山の同じ斜面にごく近接(ほとんど混生?)して生えており、産地はどちらもこの1か所だけで、中間型もかなりあります。
株の大きさ、草姿、花の形状、開花期も同じですから、調査が進めば同一種と判断される可能性もかなりあります。有毛個体と無毛個体、あるいは有斑点個体と無斑点個体が混生している例は他種でもよくあります。
そうなると“H.livida”はH. pubescensと同一種の中の1つの型と考えられ、特異型品種としてH.pubescens ‘Livida’ と表記するのが正しいということになります。つまり他の品種と同じことになります。H. lividaとH. pubescensの分類的関係については近日中に写真を添えて説明します。
商標登録された名前は販売に使えないわけではありません。当会と包括契約すれば簡便にかつ低額で使用できます。非会員でも契約できますから、大いに利用してください。
商標登録された名前は販売に使えないわけではありません。当会と包括契約すれば簡便にかつ低額で使用できます。非会員でも契約できますから、大いに利用してください。
ただし契約には国際栽培植物命名規約の遵守が条件になりますから、同規約に従いたくない人は契約できません。契約しない人が登録商標を使えないのは当然です。
なお、商品表示としてではなく、例えば分類的議論の中で学名として使う場合には商標法の対象外ですから全く制限を受けません。
なお、商品表示としてではなく、例えば分類的議論の中で学名として使う場合には商標法の対象外ですから全く制限を受けません。