9月14日に奈良県の業者M氏温室に泥棒が入り、ハオルシアの大株、中古苗など約1万本が盗まれ、大きな被害を受けた事件は先にお知らせしましたが、その後18日には京都のN氏温室 (滋賀県) 、19日には和歌山県のK氏温室、20日には大阪府のS氏温室に泥棒が入りました。K氏の場合は未遂でしたが、他はいずれも大量の植物が盗まれ、大きな被害が出ています。

大きな被害の出たM氏、N氏はまったく防犯対策をしてなかったそうです。
M氏は若手ですが、すでに10年程度の業者歴があり、さらにハオルシアに力を入れていたわけですから、そのような業者が全く何の防犯対策もしてなかったというのは驚きです。油断というより怠慢というべきでしょう。

N氏の場合、自宅から離れた隣県に温室を立て、繁殖品や実生苗などを置いていたそうです。したがって防犯対策はしておらず、高額品もなかったようですが、有名品の繁殖苗や切り下などは相当ありました。それらがごっそり盗まれたわけですから、高額品はなかったとは言うものの、被害はやはり相当額になりそうです。

K氏の場合、温室は自宅横で、防犯対策をしてあり、それが反応したので部屋の明かりをつけて温室を見に行くと温室入口のカギが壊され、扉も開いていたそうです。おそらく泥棒は自宅の部屋の明かりがついたのを見つけ、見つかったと思って早急に退散したのでしょう。K氏は犯人の姿は見ていないということです。

S氏はハオルシアではなく、メセンの栽培家で、コノフィッツムなどの大株をたくさん育てています。詳細は分かりませんが、写真で見る限り、温室は自宅2階か屋上(屋根上?)にあり、防犯対策もしてあったそうですが、それが破られて大株がごっそり盗まれています。鉢から抜き上げ、ラベルも持って行かないなど、一連のハオルシア泥棒と同じ手口ですから、おそらく同一犯行グループの仕業と思われます。

どのような防犯対策がしてあったのか、どうしてそれが破られたかは大いに知りたいところですが、わかったらまたご報告します。

いずれにしろ、メセンまで被害にあったということは、ハオルシアに限らず、高額品であれば何でも狙われる可能性があるということを示しています。特に今はコノフィッツムが高騰していますので、メセン愛好家の方は注意してください。

今回はこれまでの事件と違い連日の犯行ですから、おそらく隣国の地下組織が情報を交換し合い、新たな窃盗団を送り込んで事件を起こしているのではないかと推測されます。現在までは関西ですが、今後中部地方、関東、さらには長野、新潟など、防犯対策が進んでいない地方にも手を伸ばしてくる可能性があります。厳重に警戒してください。

またN氏のように、大株など大事なものは自宅内 (又は近く)に置き、繁殖品などは離れた温室に置くという方も多いと思います。
このような場合、繁殖品温室は大したものは置いてないからと防犯対策をしてないことが多いですが、N氏のような著名収集家となると、繁殖品でも換金すれば相当額になるはずです。
したがって今後はそうした防犯対策をしてない繁殖品温室が狙われる可能性が非常に高いでしょう。泥棒たちの収入源になることを防ぎ、さらなる被害者を出さないためにも繁殖品温室にも防犯対策をされることを強くお勧めします。

防犯対策は自動車保険のようなものです。なくても運転できますが、万一無保険で事故を起こしてしまったらとんでもないことになります。確かに防犯対策には結構な費用が掛かりますが、繁殖品をある程度売ればまかなえる程度の費用でもあります。被害に会えば全部なくなってしまう可能性もありますから、保険だと思って、被害に会う前にぜひ防犯対策をしっかり取ってください。