日本ハオルシア協会 Official Blog

ブログデザイン改修しました。

September 2016

【NHK趣味の園芸】
 NHK趣味の園芸は公益を図る目的を持ち、毎号約15万部を出版している園芸界最大の出版物で、大きな影響力があります。今年8月号では多肉植物の特集を組み、3名が記事を書いており、ハオルシアもかなり取り上げられています。しかしこの執筆者の人選には大きな問題があります。
まずこの3人は同誌上で園芸研究家や多肉植物栽培家などとして紹介されていますが、いずれもれっきとしたサボテン業者です。園芸研究家や多肉植物栽培家という表記は非営利、少なくとも営利を主目的としていないという含意があります。それに対し、サボテン業者あるいは園芸店経営などの表記は営利を主目的としているということが明確です。一般に営利事業者と非営利の個人とではその記事の信用性に大きな差があります。営利事業者の記事が信用できないということではないとしても、そこには何らかの宣伝的要素があるのではないかと見るのが一般的だからです。
食品偽装表示を始め、各種の偽装表示が問題になっているおり、偽装表示を追放する立場にあるNHKの子会社が営利事業者をあたかも非営利の個人であるかの如く表示するのは極めて不適切です。

 次にハオルシアではサボテン業者が同じ品種にそれぞれ勝手に違う名前を付けて売り出したり、既に使われている名前を別品種に重複して使ったりして、品種名が非常に混乱していました。日本ハオルシア協会ではこれを是正し、国際基準(国際栽培植物命名規約)に沿った名前に整理統一しようとしていますが、一部業者は品種名の整理統一に強く反対し、国際基準を無視した命名を続けているので、消費者(愛好家)は大きな迷惑を受けています。
ところでNHK趣味の園芸8月号で多肉植物を執筆している上記3名はすべて品種名の整理統一に強く反対する業者グループの一員です。つまりNHK趣味の園芸8月号で多肉植物を執筆した業者はすべて品種名の整理統一に反対する立場の人間というわけです。かような一方の立場の者のみに偏った執筆者の人選は公平中立であるべきNHKにふさわしい人選とは思えません。

【NHK趣味の園芸講師】
NHK趣味の園芸の講師ならばどの園芸分野であっても国際基準に沿った品種名統一に賛同し、それを呼び掛けるのは当然のはずです。国際基準に沿った品種名の統一は品種名の混乱を防ぐ最善の方策であり、消費者にとっても大きな利便を提供するものだからです。
またNHK趣味の園芸の講師は非営利の個人であることが望ましいのですが、営利事業家が講師になる場合は、営利事業家や業者という立場を離れて、公平、不偏な立場で記事を書いたり、解説することが求められるのは当然です。
 ところでNHK趣味の園芸多肉植物特集執筆者3人の内の1人はNHK趣味の園芸の多肉植物担当講師です。しかし同人は品種名の整理統一に反対するグループに属しており、同人が品種名統一の呼びかけをしたり、品種名の統一に反対することを批判したとは聞いたことがありません。
 消費者保護の観点からはNHKが国際標準に基づく品種名統一を支援するのは当然と考えますが、その点は置くとしてもNHK趣味の園芸・多肉植物特集では、品種名統一に反対するグループに属する人物ばかりが執筆者に選ばれております。NHK出版の公平性と公益性の観点からはかような偏った人選は著しく公平性に欠けるものと言わざるを得ません。NHK趣味の園芸における執筆者の人選に関し、その再考を強く求めるものです。 

【NHKのニュース報道】
 ハオルシア盗難事件の多発でテレビでも各局で取り上げられるようになったハオルシアですが、NHKも8月5日(2016)に夕方7時のニュースセブンで取り上げました。もちろんその前に私も含めて関係者に取材を重ねており、盗難事件の被害者宅にも行って写真などを取っています。中島氏温室での犯行現場の動画の提供や被害状況をまとめたデータの使用などの許可要請が当会にもあり、他局の場合と同じように許可しました。また記事まとめの中心者と思われるNHK野田綾記者からはハオルシアについて再三、再四問合せ(質問)がありましたが、時間をいとわず対応しました。
 当日のニュースでは被害者のインタビューなどとともに、当会が提供した犯行動画やデータが使われ、おおむね要領よくまとめられていました。しかし10年以上前にサボテンを密輸入しようとして成田空港で捕まり、新聞等で『NHK講師、サボテンを密輸入』などと報道されてNHK趣味の園芸の講師を解任された人物が取材を受け、ハオルシアについてコメントしていることには驚きました。
 不祥事でNHKから追放されたはずの人物が全国配信のニュース番組で再び出演してコメントするなど、NHKの出演者に関する倫理基準はどうなっているのか、全く不可解です。そのような人物を公共の電波、特に受信料で運営されているNHKの電波には乗せるべきではありません。
 もちろん誰に取材し、どのようにニュース記事を構成するかは放送局側の編集権の問題ですが、かような人物のコメントを援用することはNHKの取材能力に対する不信感を生ぜしめるものです。

【NHKニュースウェブ】
取材対象の人選が極めて不自然という問題は、ニュースセブンを基にしたインターネット配信のNHKニュースウェブの記事でより明らかになります。
 ニュースセブンでの放送後しばらくしてNHKから連絡があり、NHKニュースウェブを見たところニュースセブンの内容はほぼそのままで、品種名統一に反対する中心人物(業者)の写真と談話が大きく掲載されていて驚きました。
 そのためNHKに同氏談話の削除を申し入れました。また削除しないなら当会が提供した動画やデータなど一切を使わないようにとも申し入れしました。
 当会が提供した資料は犯行時の動画や被害総額などのまとめ、ネットで非常な高価格で取引されているという証拠写真で、いずれも事件の核心部分です。盗難事件の背景、要因などについては私がNHKからの質問に詳しく説明しており、他氏の談話がなくても十分まとめて記事にできる状態でした。
 ところが申し入れを受けたNHKでは品種名統一に反対する業者らのコメント記事を残し、当会提供の核心的資料部分の方を削除しています。削除に当たっては何の打診も受けていません。かようなNHKの対応は核心的情報の提供者に対する背信行為と言わざるを得ません。

【NHKの報道倫理】
争いのある問題点につき、検討もせずに一方の立場のみを援用するNHKの態度は公共放送としてのNHKの報道倫理に大きな疑問を生じさせます。
また、NHKの取材を受けるに際して、ある特定の人物が記事に登場するなら協力を得られない恐れがあるという場合には、むしろそのような場合にこそ、その特定人物にも取材する旨、現下の取材相手に知らせて了解を得、フェアな取材をする必要があるはずです。
その特定人物の取材記事を掲載することを隠して現下の取材対象から資料やデータを取得し、その特定人物の出演を知らせないまま放送に使ってしまうことは全くの信義則違反で明らかな背信行為です。そのようことを知らされずに資料やデータの提供をさせられた側からすれば、資料やデータを騙し取られたも同然です。
ハオルシアの盗難事件では多くの報道機関から取材を受けていますが、一部の報道機関は当会と立場を異にする人物にも取材する旨、事前にこちらに伝えています。その場合には「立場を異にする者の宣伝にならないよう留意する」などの条件を付けた上で資料提供しています。対立する立場の者からの取材記事を載せることを隠して当会から資料などを半ばだまして取得し、放送に使ってしまったのはNHKだけです。
受信料で運営されるNHKには他の報道機関にも増して特に高い報道倫理、公共性、不偏性が求められるはずですが、今回のハオルシアに関するNHKの報道倫理、取材姿勢には大きな疑問を感じざるを得ません。

グリーンスリーブス
紫金城交配 'Green Sleeves' (グリーンスリーブス)

 このブログは当会事務局が管理しており、すべての記事の文責は事務局長(兼編集長)の林にあります。林は当会の代表理事でもあり、当ブログを含む編集・出版に関してはすべての権限と責任、および最終決定権を持っています。

 反社会的業者らが批判を封じ込めようとして、もう一人の代表理事である實方に圧力をかけているようですが、實方には出版・編集に関する権限も責任もありませんので圧力をかけても無駄です。苦情があれば担当責任者の林に直接お申し出ください。

 当ブログの記事内容は基本的に編集長の個人的見解に基づくものですが、同時に会としての意見です。例えば、分類に関する記事や生物芸術に関する記事は編集長の個人的見解ですが、会としての意見、主張でもあります。分類や生物芸術などという記事について編集長がその内容を誰かに相談したり、承認を求めるなどということはあり得ません。
 
 分類以外の記事でも同じで、基本的に編集長の個人的見解ですが、同時に会としての意見や主張でもあります。理事間で見解が分かれることが予想される記事では事前に調整することもありますが、その場合でも編集長が内容について最終決定するのは当然です。

 今回のブログ記事、「品種名統一の問題状況」ではどこまで具体的に書くか(個人名を出すかどうか)などについては意見の相違があり得ますが、記事の内容そのものや方向性に関しては理事間及び会員間で意見の相違があるとは考えていません。したがって理事間の事前調整もしていません。
なお厳罰化に関しての記事のように、ハオルシアや植物関連以外の記事は純粋に林の個人的な見解で、会としての意見ではありません。そのような場合には記事冒頭にその旨お断りしてあります。

 最後に、反社会的業者らは今回のブログ記事に対して名誉棄損で裁判にするとか言っているようですので、名誉棄損の免責条件を示しておきます。

 名誉棄損の免責(ウィキペディアより抜粋)
『刑法230条の2は、名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係るもので、専ら公益を図る目的であった場合に、真実性の証明による免責を認めている。
真実性を証明できなかった場合でも、確実な資料・根拠に基づいて事実を真実と誤信した場合には故意を欠くため処罰されない。
公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなされる。』

 多肉植物愛好家の全国的組織には約50年の歴史を持つ日本多肉植物の会(NPO法人、石井会長、会員約300人)と1999年発足の国際多肉植物協会(任意団体、小林会長、会員約700人)とがあります。活動内容はよく似ていて、東京を中心とした毎月の例会と機関誌の発行です。
 また当会(日本ハオルシア協会、1998年発足。實方一雄会長。現在は一般社団法人)も多肉植物愛好家の全国的組織の一つで、ハオルシアに特化した愛好家団体です。機関紙『ハオルシア研究』の発行と毎年春に行われる品評会、即売会が主な活動ですが、最近ではこのブログでの発信も大きな仕事になっています。

【日本多肉植物の会】
 日本多肉植物の会は長い歴史を持っていますが、長年編集長をしていた小林氏の会費使い込みで同氏を追放した後には活動が低下し、最盛期に1500人いた会員は大幅に減少しています。しかし例会や例会でのセリ会は国際多肉植物協会より活発ということです。また同会が多肉植物の普及のために優良品種を適正価格(廉価)で販売することに力を入れていることは高く評価されます。イベント活動はしていませんが、当会の品評会には非公式に協力していただいています。

【国際多肉植物協会】
 国際多肉植物協会の小林氏は長い間日本多肉植物の会の編集長をしていましたが、会の資金の多額流用(業務上横領)問題になり、追放(実質除名)されて自分で新しい会(国際多肉植物協会)を興したという経緯があります。しかし長いこと編集長をしていただけあって、イベントの企画力や機関誌の編集は非常に優れており、今では本家の日本多肉植物の会をしのぐ会員数を誇っています。
小林氏は1990年に私(林雅彦)から預かっていたハオルシア玉扇の大株6400本(1280万円相当)の無断売却と代金の横領で訴えられています(東京地裁平成2年(ワ)第8774号)。6400本はすべて腐った(!)と強弁していましたが、敗訴寸前で横領を認めて謝罪し、和解しています。この時の和解契約で以後私の活動に関し、 小林氏はできる限り協力し、かつ一切の敵対的、阻害的行動を取らないことを約束しています。
また国際多肉植物協会が発行した多肉植物写真集Ⅱでは私の写真複数枚を無断で使用し、やはり和解して販売を継続しているという経緯もあります。この時の和解契約では国際多肉植物協会がハオルシア協会の活動全般に協力し、特にハオルシア品種名の整理統一に全面的に協力することを約束しています。
これら2件の和解契約にはそれぞれ違約の場合の多額の違約金規定があります。

 さらに小林氏は1996年11月にメキシコサボテン視察の団体旅行を日本多肉植物の会副会長として企画、引率したのですが、現地で不法採取したサボテンを密輸入しようとして成田空港税関で捕まり、没収されています(サボテンは原則すべてワシントン条約対象品)。当時彼はNHK趣味の園芸の多肉植物担当の講師でしたが、この事件が新聞等で 『NHK講師、サボテンを密輸入』 などと報道され、これが原因でNHK趣味の園芸講師を解任されています。(小林氏の後任が現在の長田研氏です。)

 これら過去2回の業務上横領、著作権法違反、密輸入など多くの事件を起こしていることは法令順守意識の低さを端的に表しています。また現在も新たな業務上横領疑惑があり、さらに品種名の統一に反対する業者と手を組んで水面下で品種名統一を阻害しようとしているなど、反社会的傾向がより顕著になっています。
多肉植物ブームということで取材されたり、報道されたりする機会が多くなっているようですが、これら過去の不祥事や現在の業務上横領疑惑、さらに反社会的業者と連携を強めている状態を見れば、少なくとも公共の電波に登場させるべき人物でないことは明らかです。

【ビッグバザールを巡る疑惑】
 さて国際多肉植物協会はビッグバザールを実質的に主催しています。ビッグバザールは最近では年4回開催され、毎回千人前後の入場者があるなど、非常に盛況です。会場の混雑や暑さ対策などに苦情はあるものの、多肉植物の人気を盛り上げる一大イベントになっていることは大いに歓迎すべきことです。しかしそのような会場内の問題とは別に、ビッグバザールにはより重大な問題点があります。
 ビッグバザールでは、入場料(500円)を徴収していますが、これを払う人が700人いたとすると、入場料だけで会場(TOC)の賃料が賄えます。出店者は20人以上、出店テーブル数は40卓以上あります。卓料は1人当たりの使用卓数で異なりますが、平均で1卓1万5千円とすると60万円が主催者の収入になります。これにセリ会の分金や国際多肉植物協会の売店、書籍の売り上げが加わりますから、1回で100万円近い収入があるはずです。受付他の運営は皆国際多肉植物協会会員のボランテアですから、会場費以外の経費はほとんどかかっていません。
 ところが小林氏はビッグバザールの主催者は国際多肉植物協会とは別組織(カクタスバザールシステム、CBS)だと主張し、ビッグバザールの多額の利益を国際多肉植物協会にまったく入れていません。しかしカクタスバザールシステムは代表者も事務所所在地も不明の幽霊組織です。現場では小林氏がすべて差配していることは周知の事実です。また『国際多肉植物協会』と大書した看板を出し、数年前までは『主催:国際多肉植物協会』と明記した張り紙を入り口周辺に出していましたので、ご覧になられた方も多いと思います。さらにビッグバザールの宣伝は国際多肉植物協会の機関紙とホームページでしかしておらず、多くの方がビッグバザールは国際多肉植物協会主催だと理解しています。

 このようにビッグバザールと国際多肉植物協会が実質一体であるにもかかわらず、小林氏がビッグバザールの多額の利益を国際多肉植物協会に入れずに流用しているならば業務上横領(3回目!)の疑いが濃厚です。これを容認、放置している国際多肉植物協会監査の男庭氏や副会長格の春日氏、会計、広報(Web)担当など会の運営に携わる者全員に、分け前を受け取っていたかどうかにかかわらず、業務上横領の共犯、少なくとも背任の疑いがあります。会の運営に携わる者にはそのような不正行為を是正すべき責任があるからです。任意団体ならこれらの罪に問われないということはありません。
 そもそも誰が見ても実質国際多肉植物協会のイベントなのに、なぜわざわざ主催者を幽霊組織の別組織とするのか、その最大の理由は利益を国際多肉植物協会に入れずに流用するためと考えられます。もちろんこんなことが許されるはずはありません。
 町内会に例えると、町内会会長がバザールを計画し、町民がボランテアで受付や運営を手伝って利益が出ているのに、町内会会長が 「いや、バザールは別組織だから」 と言って利益を町内会に入れずに自分の懐に入れてしまったら誰もがおかしいと思うでしょう。それと同じです。

【ビッグバザール出店業者に対する指導】
 小林氏と国際多肉植物協会は当会が進める品種名の整理統一に全面的に協力することを前記和解契約で約束していますので、当会は小林氏と国際多肉植物協会に対しビッグバザールの出店者にハオルシアの品種名は国際栽培植物命名規約に従うよう要請し、これを拒否する者は出店させないよう申し入れています。
しかし愛好家団体が品種名の整理統一に協力するというのは、当会からの申し入れがなくても全く当然のことで、むしろ自主的に、かつ積極的に推進すべき事柄です。品種名の整理統一は消費者にとって大きな利益ですから、おそらく国際多肉植物協会の会員もほぼ全員が賛成することでしょう。しかし小林氏は品種名の整理統一には全く消極的で、これを推進するための活動や広報はほとんど行っておらず、ビッグバザール出店者への指導や警告も全く行っていません。

 なぜならビッグバザールにはカクタスニシやグランカクタスの他、鶴仙園、金子カクタスなど、西氏と親しい業者が多数出店しているからです。したがって小林氏としてはこれら業者の協力を得るために品種名の整理統一を彼らに強く要請できない状況だと見られます。しかしこのように西、佐藤両氏やそのグループ業者の協力を得ることを優先している状況は、消費者の利益より業者の利益を優先していると批判されても仕方ない状態です。
 さらに品種名の整理統一に消極的なのは、ビッグバザールの出店業者の協力を得るためというより、ハオルシアが多肉植物園芸全体の中心的存在となり、さらに現在も世界的に人気が拡大していることから、何とかしてその主導権を握りたいという思惑が、品種名の整理統一に反対する業者グループと一致し、彼らと連携して当会に対抗しようとしているためと思われます。そのためには和解契約で約束したにもかかわらず、品種名の整理統一を積極的に推進せず、むしろこれら業者グループと手を組んで水面下で妨害しようとしているのでしょう。もちろんこのような行動は和解契約違反であり、違約である旨の警告をすでに何回か出しています。

【日本ハオルシア協会】
 日本ハオルシア協会は1998年発足で、小林氏は発足当初の編集長です。しかし同氏は当会編集長の仕事にはあまり乗り気ではなく、自分の新しい会(国際多肉植物協会)の発足に奔走していたので、金子氏や西氏など、当時の当会幹部が私に編集長就任を依頼し、再三固辞して渋る私を説得したという経緯があります。私としては学術研究に専念したかったのですが、他に適任者がいないということでやむを得ず引き受けました。
 しかし当初の事務局長で発起人代表でもあったS氏の解散騒動などで会員は一時30人くらいにまで減少しており、その状態で編集長を引き受けるのは全く火中の栗を拾う様なものでした。取材費もほとんど出ない中、経費を節約し、誌面も一新し、新品種の発掘に力を入れてハオルシア人気の拡大を図り、そのかいあって今日のハオルシアブームが到来した次第です。もちろん万象の山本氏など、新品種の育成に尽力された方の協力もあってのことですが、今日のハオルシア人気の拡大に当会やその機関誌が中心的な役割を果たしてきたことは誰もが認めるところです。

【業者との対立】
 カクタスニシの西氏と金子カクタスの金子氏は当会発足当時の幹部で、鶴仙園の鶴岡貞男氏も発足当社からの会員でした。当初はこれら業者と趣味家がハオルシアの普及に力を合わせていたのですが、ハオルシアが人気になるにつれ、会を業者の意向に従わせようとする業者グループと趣味家(消費者)の利益を優先する現幹部との意見が対立するようになりました。対立の直接的原因は品種名の整理統一で、国際標準(国際栽培植物命名規約)に合わせて統一すべきだという趣味家の立場優先の現幹部と、業者に任せて自然に収束するのを待てばよい(たくさん売ったもの勝ち)という業者側との意見が大きく対立しました。
趣味家の利益優先の旗振り役は私で、そのために業者らは協力者のF氏などを使って、会計に疑問があるなどとして編集長(私)の交代を求めて来ました。しかし当時会員数わずか100人程度の貧乏世帯で編集経費もろくに出ない状態ですから会計などごまかしようがありません。結局発足当初からの経理を総点検し、領収書などもすべて確認したうえで問題がないことが明らかになりました。点検結果は明細表を付けて全会員に送付してあります。
 趣味家の利益を優先する私に変えて、F氏を編集長に据え、会の主導権を握ろうという業者側の計画が不成功に終わると、これら業者グループは当会の主導権を握ることをあきらめ、全員が脱会して当会と対立するようになったというのがこれまでの経緯です。業者グループはその後活動の場を日本カクタス専門家連盟に移し、またハオルシア園芸全体の主導権を握りたいという小林氏の思惑に呼応して国際多肉植物協会との連携も強めています。

【ハオルシア園芸の主導権】
 当会は品種名の混乱を防ぐために早くからその整理統一に取り組み、2014年に国際園芸学界からハオルシアの国際栽培品種登録機関 (International Cultivar Registration Authority, ICRA)
に指定されています。国際栽培品種登録機関はその園芸植物のグループで世界でただ一機関だけが指定され、そこが全世界のその植物群の品種名を整理統括する権限を与えられる制度です。有名なものではイギリスの王立園芸協会があり、ここがランやユリ、シャクナゲ、ダリアなど9つの園芸植物群の品種名を統括しています。
 現在世界で約80の園芸植物群について国際栽培品種登録機関が指定されていますが、日本で指定されているのは当会だけです。これに指定されるとその分野の植物群について正名、異名の認定や重複名の整理、あるいは新品種名の認定などの権限が与えられます。したがってこれまでの機関紙などの実績に加え、国際栽培品種登録機関に指定されたことから、世界のハオルシア園芸全体の主導権が当会にあることはまったく揺るぎないところです。
 また国際栽培品種登録機関は一度指定されるとその機関が活動を停止したり、解散しない限り変更されることは原則ありません。登録された品種名データの継続的管理のためには当然の慣行ですが、このことは当会が今後半永久的に世界のハオルシア園芸全体の主導権を握ることを意味します。他の植物群でも同様で、国際栽培品種登録機関に指定された組織がその園芸植物群の世界的中心となり、主導権を握っています。

 西、佐藤氏などの業者グループや小林氏はハオルシア園芸の主導権を握りたいと考えているようですが、毎年非常に多くの新品種が発表されるハオルシアで主導権を握るには、それらの名前が国際栽培植物命名規約に合致しているかを的確に判断し、認定できる体制と能力が必要です。そのような体制と能力、さらには世界中の品種名を管理する権限が与えられるにふさわしい公平さや順法精神が必要ですが、彼らにそのような能力と公平さ、順法精神があるかはまったく疑問です。

 なお、ハオルシア人気の拡大にカクタスニシなど業者の貢献を指摘する意見もあるようですが、業者が商売のために努力するのは当たり前です。彼らは努力の対価を利益として受け取っています。一方当会はすべてボランティアで運営されており、『ハオルシア品種名総覧』の印刷費などは幹部が自腹を切って負担しています。
ある活動が社会的に評価されるのは金銭的対価を超えて努力した部分であって、医師や教師が聖職とされるのもそのような部分が多いからです。営利業者が自分の商売のために私利私欲で行う努力と、非営利団体が会員や社会のためにボランティアで行う努力とを混同すべきではありません。

アニーローリー
 金斗雲交配 ’Annie Laurie’ (アニーローリー)


 園芸植物の品種名は国際園芸学界が制定した国際栽培植物命名規約が世界標準となっています。これにより、園芸植物の品種名がどの国でも同じ名前で流通するようになり、園芸業者や消費者(愛好家)の利便性が大きく向上しました。日本ハオルシア協会も消費者の利便向上と、国際化を目指して同規約に基づくハオルシア品種名の整理統一に長年取り組んできました。当会発行の『ハオルシア品種名総覧』は明治以降に日本で出版されたハオルシア品種名のすべてを同規約に基づいて整理、網羅したリストで、品種名リストとしては世界的にもトップクラスのものです。

 これが評価されて当会は国際園芸学界からハオルシアの国際栽培品種登録機関に指定されています。国際栽培品種登録機関はその植物群の全世界の品種名を整理統括する国際機関で、現在バラやランなど主要園芸植物群のほとんど(約80グループ)にこれが指定されています。その植物群では全世界で1機関だけが指定されますが、日本にある国際栽培品種登録機関は当会だけです。
 しかし日本のハオルシア園芸界を見ますと、品種名の整理統一に反対する一大勢力が存在し、また背景を良く知らずにその勢力に協力する動きもあるなど、いくつかの大きな問題点が見受けられます。品種名を詐称して初心者をだます悪質な業者やネット販売者も後を絶ちません。ここではそれらの問題状況について解説します。

【サボテン業界の悪慣行】
 まず、日本のサボテン・多肉植物の業界では以前から、例えば海外から苗を輸入して販売する際、競合他社が同じ苗を輸入できないよう、種名を隠して別の日本語名(和名)だけを付けて販売することが普通に行われていました。産地データなどはあっても公表しません。業者ごとに勝手に名前をつけるため、同じ種でも業者によって異なった和名がつけられている場合が多く、整理しようにも産地データがないため、極めて不十分な整理しかできませんでした。
 サボテン業界ではこのような入手元のデータを隠し、別名を付けて販売するという類の悪慣行が現在も続いています。したがって、すでに流通していたハオルシア品種を業者が新たに売り出す時にはそれぞれの発売業者が別名を付け、あたかもその業者が開発した新品種であるかの如く偽装して売り出すといった事例に事欠きません。以前掲示板に質問があったように、関東の‘紫ダルマバディ’が関西のY園では”チョコバディア”、N園では”チョコバー”と名前を変えて発売されたのはその典型例です。消費者にとっては非常に迷惑な悪慣行で、いわば食品の産地偽装と同じ類の犯罪行為(不正競争防止法違反、混同惹起)です。
 消費者保護の時代に逆行するこのような悪慣行を是正するには、他のほとんどの園芸植物で国際標準となっている国際栽培植物命名規約に基づき、業者間でバラバラになっている品種名を統一する必要があります。国際栽培植物命名規約にはどれを正名とすべきか、品種名の発表もどのような出版が有効な出版と認められるか、などの詳細な規定があり、業者間の力関係ではなく、公平な基準によってそれらを整理できるからです。

【品種名統一に反対する業者】
 ところがハオルシアを中心的に扱う大手サボテン業者の中には国際栽培植物命名規約に公然と反対し、または無視を宣言する反社会的業者がいます。例えばカクタスニシではホームページの冒頭に 『品種別カタログ掲載の植物名は、当園のオリジナル商品名につき、他店の同名植物と同じ物とはかぎりません。』 と表示し、国際栽培植物命名規約に従って品種名を是正したりはせず、自園の独自名で押し通すと宣言しています。

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カクタスニシ ホームページのトップページより (2016年9月14日)

 またグランカクタスの佐藤氏はその出版物「ハオルシアアカデミー写真集1(2013)、同 2 (2015)」の冒頭で (ともに②ページ) 『国際命名規約も分かっていますが、本書の場合それらに従って種名(品種名)を編集上変更することはありません。(中略) これらは国際的な命名規約ですので、国内での流通をなんら制約するものではありませんことを付記しておきます。』 と書き、やはり公然と無視することを宣言しています。
 したがってカクタスニシの品種別カタログや上記ハオルシアアカデミー写真集には非常に多くの重複名(異物同名)や異名(同物異名)、さらにはおよそ品種とは言えないような特徴の乏しい個体にまで名前が付けられ、掲載されています。しかもこれら国際栽培植物命名規約に反対する業者間では統一名が使われているというわけでもなく、各業者が勝手に名前を付けあい、混乱に拍車をかけています。カクタスニシでは『統一規格優良苗販売園の加盟店は同じ』と表示していますが、統一規格優良苗販売園の商品を西氏が名前を変えて販売している例もかなりあります(例えば堀川カクタスのピグマエアPG20はカクタスニシのHPG1(ともに正名は’露霜’))。
 その結果、同じxxxという名でも○○園のxxxとか△△カクタスのxxxとか言って区別する必要が出て来ます。ところが次に述べるように、カクタシニシでは同じxxxという名を異なったハオルシアグループの植物に2度も3度も使いまわしていますので、カクタシニシのxxxと言っただけではどの植物を指すのかわからないという事態も起きています。

【品種名混乱の実態】
 当会は明治以降に日本で出版されたハオルシアの全品種名を整理・網羅した『ハオルシア品種名総覧』を2013年に発行しましたが、その表1-D-1には直近5年間に発表された無効名(重複名と類似名)および品種とは言えないものに命名した疑問名が集計されています。これを見ると上記2業者、カクタスニシと日本カクタス企画社(現グランカクタス)が圧倒的に多くの無効名や疑問名を発表しています。また表1-D-2には同一業者が自社の別商品に同じ名前や類似名を付けた具体的商品名を掲げてありますが、カクタスニシが非常に多くの重複名を命名していることが明らかです。

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 これらの表は2013年までのデータですが、彼らはこの指摘にもかかわらず、それを是正しないどころか、その後も多くの異名、重複名を発表し、品種名の混乱に拍車をかけています。さらにカクタスニシの取引相手にはカクタスニシからハオルシア苗を仕入れて転売している多くの業者がいますが、彼らは当然カクタスニシの品種名をそのまま使いますから、混乱はますます拡大するといった状況です。

 品種名の整理統一に反対する業者は「たくさん売ればその名が正名になる」とか、「いずれ自然淘汰されるから、無理に整理する必要はない」とか主張しているようですが、一つの名前に収束するまでには長い時間がかかり、その間に消費者は大きな混乱と迷惑をこうむります。例えば別名なので同じ品種と気づかずに重複して買ってしまったとか、入手したいと思っていた品種とは全く別の(ただし同名の)商品が送られてきた、といった被害が懸念されます。少なくともそれらが同一品種なのか、あるいは別品種なのか確認する必要性が出てくるということだけでも消費者には大きな負担と迷惑です。
 自社の利益を優先し、消費者の迷惑を顧みずに違法な品種名を押し通そうとするこれら業者は、いわば「反社会的業者」と言えます。このような「反社会的業者」を業界から排除することはハオルシアのさらなる普及と国際化には欠かせないことです。
 
【素人だまし商法の蔓延】
 これらのサボテン業者が、正名のあることがわかっているのになぜ別名(重複名や異名等)で発売するのかというと、既に流通している品種でも別名で発売すると特に初心者に何か新しい品種であるかのように誤認させ、売り上げが増える可能性があるからです。また既存品種を別名の新しい名前で発売すると、初心者にはその品種はその業者が育成した新品種であると錯覚する人が多く、商品開発力があるとの評価を受けることが期待できます。さらにおよそ品種とは言えないものに名前を付けて売る行為も、初心者に「名前が付けられているから良いものに違いない」と誤認させ(優良誤認)、注文を受けられる可能性があるからです。いずれも消費者、特に初心者に名前をごまかして商品を売りつける行為で、不正な素人だまし商法と言えます。再三指摘しますように、これらは不正競争防止法(誤認惹起)や景品表示法、あるいはネット販売なら特定商取引法に違反する可能性が大変高いです。

 大手サボテン業者がこのような不正な名前の商品を販売し、初心者を半ばだますような商売を大手を振ってしているので、中小の、または新規開店のサボテン業者、あるいは素人のネット販売者の中にはこれに追随し、あるいはさらに悪質な販売を試みる者が後を絶ちません。
例えば、以前当会のブログで警告したように、ヤフオクではおよそオブツーサとは言えないようなものを”オブツーサ錦”と詐称して売ったり、栽培経験のある人なら絶対に買わない全斑のカキ仔を売ったり(確実にすぐ枯れるので本来は捨てるべきもの)、あるいは落札後に掲載写真をすぐ削除してどんな商品だったか確認できないようにして別物を送りつけたりする長野県のAさん(女性)、人気玉扇‘葵四条’の名前を出しながら別物を出品した北海道のBさん(きわめて誤解されやすい表示)、同じく玉扇の”葵北斎”の名で小苗を売った大阪のCさん(親写真は出していませんが、育成者が見て、この小苗は別物と判断しています)、さらには最近では駄ものの万象の種子を1粒5000円~1万円で売っている大阪のDさん、あるいは長野のK園で買った普通品のハオルシアを『NHK趣味の園芸』などと銘うって1万円もの高額で出品している横浜のEさんなどがいます(普通品のハオルシアがK園で1000円以上することはまずありません)。
 種子は信用のある相手から購入することが極めて重要です。例えば1年以上経った古い種子を『今年採取した種子』などと表示されて売りつけられ、全く発芽しなかったとしても古い種子だったという証拠がありません。外見から古い種子だと見極めるのは不可能です。あるいは万象の種子として購入し、発芽して大きくなったら全く別物、例えばセタタだったとしても、それがその人から買った種子から生育したものだという証拠がありません。種子の場合は不良品や偽物を売りつけられても、それが不良品や偽物だったという証拠が全く出せず、だまされたとしても文句がつけられません。 
 確かに種子はネット上ではあまり販売されませんが、それは希少だからではなく、上記のような理由で見知らぬ人から種子を買うことが大変リスキーなので、流通がほとんどないというのが基本的理由です。『希少』などという宣伝文句に乗せられて見知らぬ人から高額種子を買うのは大変危険です。注意してください。万象の種子は超優良品種の種子でも1粒500円が最高クラスで、平均的な品種では1粒200円、駄ものなら1粒10円程度が相場です。

 これらの例はいずれもごく最近のもので、初心者をだまして商品を売りつける素人だまし商法です。ハオルシア人気は拡大の一方なので、初心者は常に大量に存在し、そのために素人だまし商法も絶えることがありません。しかしこのような商法が後を絶たないのには、初心者が大量に存在するという理由だけではなく、前記大手サボテン業者が消費者を半ばだますような違法性の高い販売を行っているので、業界全体のコンプライアンス(法令順守)意識が非常に低くなっているという背景があります。新規参入業者などはそのような先輩業者の行動やそれを許容する業界の体質を見て、それなら多少ずるいことをしても大丈夫と考えて行動するのでしょう。素人だまし商法の蔓延はサボテン・多肉植物業界のコンプライアンス意識の低さにも大きな原因があります。

【日本カクタス専門家連盟】
 サボテン・多肉植物業界には日本カクタス専門家連盟という業界団体があり、ホームページによると会員の親睦とサボテン(多肉を含む)の普及、啓もうを目的としています。サボテンや多肉植物の生産、販売を主な業とする国内73業者の集まりで、主なサボテン業者はほぼすべて加盟しており、小売業者と卸業者がおよそ半数ずつです。関東、関西、信州、東海の4支部があり、加盟業者が生産した苗の月1回の交換会と親睦会が主な業務です。
 以前はあまり活動が活発ではなかったのですが、多肉植物人気の高まりとともに参加業者数や活動も活発になり、関東支部では今年東京で大きな即売会を開催しています。2000年ころカクタスニシや金子カクタス、鶴仙園、それに堀川カクタスらハオルシア販売に力を入れる当時の若手サボテン業者が優仙会という会を立ち上げ、東京で数回即売会を開いていました。今回の関東カクタス専門家連盟による即売会は優仙会を衣替えし、拡大再開したものと見受けられます。これはまた日本ハオルシア協会の主導権争いに敗れた業者達が活動の場を日本カクタス専門家連盟に移し、さらには小林氏主導のビッグバザールに頼らない販売の場を確保しようという狙いがあるものと考えられます。
 
 日本カクタス専門家連盟はサボテン(多肉を含む)の普及と啓蒙を目的に掲げているにもかかわらず、そのために絶対必要なはずの品種名の整理統一などの活動は全く行っておらず、また別名等を勝手につけて初心者をだますような業界の悪慣行の是正指導なども一切行っていません。なぜならこの会ではハオルシア品種名の統一に反対し、勝手に別名を付けて販売するなど業界の悪慣行を先導している張本人たちが中心メンバーの主体となっているからです。
 日本カクタス専門家連盟内ではカクタスニシの西雅基氏(2年前にこの会の会長だった)とグランカクタスの佐藤勉氏(息子の佐藤大地氏はこの会の事務局担当)、およびカクタス長田(おさだ)の長田清一氏(毎年沼津で開かれる総会(新年会)の幹事役。息子の長田研氏はNHK趣味の園芸の多肉植物担当)、それに西氏と親しい鶴仙園や金子カクタスなどが大きな力を持ち、中心的メンバーとなっているようです。旧優仙会のメンバーが中心ですが、当時優仙会とは対立していたグランカクタス(当時は日本カクタス企画社)が中心メンバーに加わったのが注目点です。反ハオルシア協会、反品種名統一という立場で利害が一致したのでしょう。

【ハオルシア園芸主導の願望】
  これら中心的メンバーはハオルシア園芸全体を業者や業界団体が主導したいという願望を共有しているようです。
ある園芸分野全体を業界団体が主導して開拓したり、拡大していくことは新興園芸植物ではよくあることです。しかしそのためには商品開発や販売促進だけでなく、品種名を整理統一したり、業界の悪慣行、特に初心者をだますような商習慣を是正し、消費者が安心して商品を購入できるような環境整備にも力を入れる必要があります。そのような努力を全くしないどころか、反対にそれら悪しき商習慣を批判する消費者団体を敵視し、これを潰してしまおうと画策するなど、消費者保護意識が高まっている今日では考えられない異常な事態です。悪しき商習慣を先導する業者が中心となっている業界団体がその園芸分野全体を主導するようになったらどうなるか、考えてみてください。

  これら業者が品種名の整理統一に反対するのは、自分が販売している商品名の変更を余儀なくされたり、品種名を勝手に変えて消費者をごまかすといった商法が継続できなくなるからだけではありません。より大きな理由は、品種名の整理統一はハオルシアの国際栽培品種登録機関である当会が最終的な判断権限を持っていますから、品種名という園芸植物の根幹部分で業者や業界が主導権を握れないからです。これら業者は人気拡大が続くハオルシア園芸全体の主導権を何とかして握りたい意向ですから、彼らにとって当会は極めて邪魔な存在となっており、品種名の整理統一に賛成することは絶対にできないと考えているようです。
 しかし品種名の整理統一は消費者にとって大変大きな利益と利便をもたらす歓迎すべき事柄です。主導権争いのために、あるいは勝手に品種名を変えて消費者をごまかすといった悪慣行を維持するために、これに反対するのは全く自分勝手であり、今日の消費者保護の流れに掉さす時代錯誤もいいところです。
 品種名の整理統一に反対する勢力が力を持っている現状では、日本カクタス専門家連盟が良識ある業界団体として消費者保護のために品種名の整理統一を推進したり、品種名を勝手に変えて素人をだますような悪慣行を是正したりと言った活動は全く期待できません。業界内の良識派が声を上げてくれることに期待したいものです。

タージマハル
 H. splendens 'Taj Mahal' (タージマハル)

(品種名統一の問題状況2 へ続く)

 盗難事件の影響で話題になり、テレビや新聞でもたびたび取り上げられるようになったハオルシアですが、品種名統一を巡ってこれを推進しようとする当会と、反対する大手サボテン業者および彼らに水面下で協力する国際多肉植物協会小林氏のグループとの対立は激しくなるばかりです。

 これはハオルシアがテレビなどで取り上げられ、知名度が高くなればなるほど、その主導権を巡る代理戦争としての品種名統一への賛成、反対の対立がより先鋭化するからです。根は主導権争いなので、品種名統一に反対することが消費者の利益に反する反社会的行為であり、したがって勝ち目のない戦いだとわかっていても賛成とは言えないのでしょう。

 今でも連日のように報道関係者から当会に問い合わせがあるなど、本来であれば関係者が協力してより強力にハオルシアの魅力をアピールできるチャンスなのですが、ハオルシア園芸界がこのように2分裂し、対立している状況は全く残念です。またNHKが極めて不自然な取材を行い、意図的に品種名統一に反対する勢力に肩入れしているのではないかと疑わせるような報道をおこなったことも大変残念です。

 NHKの事件を契機として、特に報道関係者にハオルシア園芸界の実情を説明し、偏った報道にならないよう留意していただくために以下のブログを書きました(長いので3分割してあります)。身内の恥をさらすようなことでもあり、これを読んで厄介なところには手を出さないという選択をされる可能性もありますが、それによって何も報道されないよりも、この問題を隠してゆがんだ報道がなされてしまうことの方がより危険です。ハオルシア園芸界にはこのような大きな問題があるということを念頭に入れて報道企画を立てていただくことをお願いします。


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