これまで多くの植物で盗難事件はありましたが、これほど高額被害の事件はほとんどありませんでした。つまり単位重さ当たりではハオルシアは飛び抜けて高価 な植物だということです。
車1台で何億円もの盗品を積み込めるわけで、泥棒にしてみればこんなに効率的に稼げるものはない、ということです。観賞上、あるいは美的にだけでなく、価値の上でも宝石のような植物になったわけです。
裏社会の人間にしてみれば、日本には畑の真ん中などに何億もの価値のある植物が、全く無防備においてあり、ナイフ1本で簡単に侵入して盗みだせる、某国にはいくら金を出しても欲しい人間がたくさんいて闇から闇へと容易に換金でき、かつその植物がどこから来たかという点で、証拠がない、つまり足がつかない、日本の警察も盗品が植物だから真剣に捜査しない、こんなうまい話はない、というわけです。
一連の事件が同一犯かどうかわかりませんが、その可能性も高く、実際にとんでもない金額の盗み出しに成功したのですから、裏社会でも大きな話題になっているはずです。
今後は外国の裏社会の人間がそれぞれ別々に、次々と窃盗団を送りこんでハオルシアを盗もうとする可能性もあります。現在は関東地区での被害に留まっていますが、防犯対策が進めば、次は地方を狙ってきますから地方在住であっても厳重な警戒が必要です。さらには日本以外の、台湾や韓国、中国国内の収集家も狙われることになるでしょう。あるいは日本の裏社会の人間も目を付けるかもしれません。
ハオルシアの取引は、業者からの購入、セミプロや趣味家から直接対面で購入する以外に、現在は国内海外ともにネットオークションでの取引が盛んです。
会員、またこちらをご覧の趣味家の皆さんも、実際に落札、出品されたことのある方も多いと思います。
特に出品されている方は、今後ハオルシアを狙う犯罪者が増えれば、住所を知るために落札することも考えられますから、連絡や発送の際も個人情報の通知は必要最低限にし、電話番号も番号から住所を割り出されないように携帯番号にするなどの対策が必要でしょう。
また前回の記事にも書きましたが、温室の場所や住所を知る手段は住所そのものだけではありません。
ネット上に写真を上げる際、デジタル写真には自動的に添付されるExif情報というものがあり、その写真がGPSと連動した機器で撮影されたものであれば、撮影場所の情報も載ってしまうこともあります。これは誰でも簡単なソフトウェア等で確認できてしまうものです。
また、温室周辺の景色や映り込んでいる施設や店などがあれば、ネット上で調べただけでそれらの情報から芋づる式に所在地が推測できることもあります。
ハオルシアについてのブログを書いたり、SNSなどを利用されている方も多いと思います。写真を上げる場合はこの点にもご注意ください。個人情報の露出が多い媒体に所有のハオルシアを多数上げていると狙われ易い可能性も考えないといけないのが現状です。
ハオルシアの盗み出しが簡単で大きな儲けになる、という話が裏社会に知れ渡れば、彼らは当然こちらが防犯対策をする前に窃盗団を送りこんで一稼ぎしようとするでしょう。
これまではほぼ1か月おきの犯行でしたが、今後はいろいろな犯罪組織が別々に、かつなるべく早く窃盗団を送りこんでくるでしょうから、のんびりしてはいられません。彼らが情報(ハオルシア温室の場所、内容、価値、本数)を掴み、準備して来るのと、こちらが防犯対策をしっかり立てるのとの時間の勝負になっています。
まだ防犯対策をしてない方は一刻も早く、ハード面(温室への物理的な防犯対策、カメラの設置や警備会社との契約など)、ソフト面(情報の露出の制限など)ともに防犯対策を取られることを強くお勧めします。
BBSへの投稿で、盗難事件の犯人を外国人と仮定して対策を述べるのは差別ではないか、といったご意見もありましたが、それなりの根拠があり、実際にハオルシアを取り巻く環境に触れている方は現状の価格高騰の原因は言わずもがなでご存知と思います。
また、いろいろな可能性を考えて防犯対策をお知らせするのは協会として当然の事です。
ハオルシア園芸が世界に広がり、楽しむ人の裾野が広がることは今後のハオルシアという植物自体の保護や維持、新品種の作出の推進や園芸植物としての立場の確立など、喜ばしいことではあります。しかし周知され人気が出るという事はこういったよからぬ輩の目にも留まるということです。
ハオルシアを楽しまれる皆さんにおかれましては、上記の状況を踏まえ、警戒を怠らず、末永く趣味を楽しむために出来る限りの対策をお願い致します。
しばらく喜ばしくない話題の記事ばかりが続きましたので、次回は植物についての記事の予定です。