人気のオブト錦ですが、購入に当たっては若干特殊な注意点があります。
(1)全斑
中心部に葉緑部分が全くない(全斑)の個体は早晩枯れてしまいます。いくつか例を挙げてみます。
① ヤフオク 2024-4-21 「ゴースト」
成長に伴い、外葉の緑色をした葉が古くなって枯れ、中心部の無葉緑の全斑部分だけになると枯れます。「氷砂糖」と同じで枯れる前に根元から出た葉緑部分のある仔を分離して育てる必要があります。
しかしこのような品種はいずれ枯れることを前提として、それまで(2~3年)の間楽しめればよいと割り切って栽培すべきものです。
② ヤフオク 2024-4-21 「紫オブト錦」
③ ヤフオク 2024-4-14 「紫オブト錦」実生
一見全斑のように見えますが、葉の葉脈が中心部の葉まで日焼けしており、そこに葉緑がしっかり残っています。このタイプの斑入りは健全に成長を続けさせることができます。
④ ヤフオク 2024-4-11 「紫オブト錦」実生
この株は全斑で葉脈にも葉緑が残っていません。しかし中心部の葉は緑色をしており、若い葉は光合成をおこなうことができます。葉が年を取ると葉緑素が分解して全斑になるタイプです。このタイプの全斑は継続して成長を続けさせることができます。
コレクタ錦やコンプト錦、あるいはルリ殿錦等にもこのタイプの全斑があり、大苗まで育て上げることができます。
(2)片斑 株の片側だけに斑が入るもの、特に源平斑(斑入り部分とそうでない部分が鮮明に分かれているもの。反対は斑が株全体に散らばって入る散り斑。)は要注意です。
⑤ ヤフオク 2024-5-10 「丸窓オブト錦」
⑥ ヤフオク 2024-5-26 「オブト錦」(おそらく紫オブト系)
一見片斑ですが、よく見ると株全体に斑が回っています。ただ全斑の部分は成長が早いので、全斑が成長点の周囲全体に回り、株全体が全斑になる可能性があります。