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最近のハオルシア市況について

ここ10年以上高騰を続けていたハオルシアの価格ですが、中国などで高額品の組織培養による大量生産が進み、その苗が日本に逆輸入されて今年春から大幅な価格下落が起きています。昨年夏と見られるピーク時と比較するとおおむね半額以下、品種によっては3割程度にまで下落し、今後もこの傾向は続くと見られます。そうなると、価格高騰を期待して流入していた中国などの投機マネーも一斉に引き揚げますので、価格下落にますます拍車がかかるといった状況です。

一方、一時全国で被害が出ていたハオルシア泥棒ですが、昨年11月の関東での事件(被害額約5千万円)を最後に、今年に入ってからは被害の情報が入っていません。危険を冒して盗み出しても売りさばく相手がいないという状況なのでしょう。ただし警戒が緩んだところを狙われることもあり、犯人が日本人ということもありますから警戒は怠らないようにしてください。なお把握している限りでは盗難事件は昨年までに全国で38件、時価推定の被害総額は17億円近くになります。

ところで価格が大幅に下落している品種はおおむね投機マネーによってバブル価格となっていた高額品です。その代表は玉扇と万象ですが、この2種は15年ほど前にも価格が暴落した時がありました。その時にはハオルシアの市場は国内だけで、かつ小規模なマニア市場しか存在していない状況でしたから、1990年代後半から続いていた玉扇・万象ブームが一巡し、市場が飽和状態になると一気に価格が暴落し、狼狽した業者が投げ売りをしても買い手がつかないこともあったようです。

ところがハオルシア人気が中国など近隣諸国に広がり始め、市場が海外で拡大すると、再び玉扇・万象の価格が上昇をはじめ、価格が上昇すると値上がり期待の海外投機マネーが流入し始め、ますます価格が上昇するという展開になり、それが昨年まで続いていたわけです。

この価格上昇につられて、それまでサボテンの牡丹類や花籠など、高額品を中心に扱っていた業者やセミプロなどが一斉にハオルシア、特に玉扇・万象を売買するようになり、趣味家から業者に転向する若手も雨後の筍のように出てきました。しかしこれらの人の多くはハオルシアが好きというより、高額品が好き、金もうけが第一の人達ですから、愛好家(消費者)の利便やハオルシア園芸全体の発展より目先の利益優先で行動するという問題点があります。

前回の暴落と違い、今回の暴落にはその救済となる新たな海外市場は期待できず、さらに組織培養による大量繁殖が背景にあるというわけですから、再び価格が上昇することは期待できません。加えて新たに開業したような若手業者が主眼とするマニア市場は、拡大を始めたハオルシアの一般市場に侵食され、今後市場規模はむしろ縮小していくと見られます。 

つまり、これまでマニア市場でしか流通していなかった優良品種が組織培養により花屋やホームセンターの園芸売り場で廉価で買えるようになることで、それまでサボテン業者やネットで買っていた人たちが、むしろ花屋やホームセンター漁りをするようになるというわけです。もちろん新品種や繁殖しにくいものはこれまで通りマニア市場で売買されるでしょうが、その期間は、それらが大量繁殖されるまでのせいぜい3年くらいとなるでしょう。

さて、玉扇・万象がなぜこのような暴騰と暴落を繰り返すのかというと、その根本的な理由は趣味家人口(=市場)が小さいということに尽きます。玉扇・万象の趣味家人口はハオルシアマニアの人口とほぼ同じで、国内では千人弱程度です。中国ではこの10倍のマニアがいるとしても全部で1万人程度ですから、少し投機マネーが動けば簡単に暴騰や暴落が起こってしまいます。

一方、オブツーサ系やレース系などのマニアも同じく国内でせいぜい千人程度です。しかし玉扇・万象と違い、これらのグループにはマニアではない一般愛好家が30万人から最大100万人程度いると見られます。玉扇・万象にはこのような一般愛好家がほとんどいません。

一般愛好家がたくさんいれば、価格が下落した時にそれらの人が買い支えますから暴落はしませんが、玉扇・万象は一般愛好家には不人気なので、価格が下落しても買い支える一般愛好家がおらず、マニア間で一巡してしまうと後は買い手不在で暴落してしまいます。

玉扇・万象はその模様の変化が面白くてマニアに人気なわけですが、一般愛好家にはほとんど同じに見え、細かな違いは理解されません。また名前の付けられている品種は非常に多いですが、その多くはラベルがなければ区別がつきません。つまり「品種とは類似他品種と識別可能なもの」という基本原則からすればおよそ品種とは言えない類似個体に名前が付けられて売られているわけですから、一般愛好家からそっぽを向かれるのも当然でしょう。

しかし玉扇・万象が一般愛好家に不人気なより根源的な理由は、それらが「美しくない」と思われているからです。窓模様の変化は確かに面白いのですが、玉扇・万象の窓は不透明で、透過光で鑑賞したり、日照条件による窓の輝きの変化を楽しむことはできません。もちろんどちらを「美しい」と思うかは好みの問題ですが、人数で言えば圧倒的に多くの一般愛好家が透明な窓を鑑賞できるオブツーサ系やレース系などの方が「美しい」と思っていることは否定できません。


さてマニアに人気なのは玉扇・万象ばかりではなく、ピクサ、スプレンデンスなどのレツサ系もありますが、これらは玉扇・万象と異なり、マニアだけでなく、一般愛好家にも非常に人気です。透明な窓はありませんが、窓全体が赤や白の斑紋や結節で覆われる派手な品種が多数あることがその理由でしょう。一般愛好家にも人気が高いことから、玉扇・万象の暴落に引きずられて多少は価格下落しても、玉扇・万象のような暴落はしないでしょう。

スプレンデンスは窓に強いつやがある点でピクサより美しいと評価する人が多く、全ハオルシア中、最も美しいと評価する人もいます。特に白系品種にはタージマハルなど、真っ白な品種が多数あり、昨年は海外で150万円で落札された個体があり、他にもう1個体が100万円超で落札されています。ピーク時の玉扇・万象なみの価格ですが、これも中国の投機マネーの影響と見られ、現在ならおそらくその半額以下になるでしょう。ただし一般愛好家にも非常な人気ですから、一定以上は価格下落しないと見られます。

① 昨年約150万円で落札された株
① 昨年150万円で落札された個体

②  ①の兄弟か実生と見られる株
②  ①の兄弟か実生と見られる個体

③  同じく①の兄弟か実生らしい。
③  ①の兄弟か実生と見られる個体

④ 'White Summit'台湾でタージマハルとして繁殖された?
④ 'White Summit' 台湾でタージマハルとして繁殖された個体

これら高額で取引された白系スプレンデンスのいくつかを紹介すると、①は昨年150万円で落札された個体、②、③はその兄弟か実生と見られる個体、④は台湾でタージマハルとして組織培養されものと見られる個体です。台湾でタージマハルとして繁殖された個体は、由来や経路を調べてみるとタージマハルとは別個体の④である可能性が高く、ホワイトサミット(White Summit)と命名されました。タージマハルほどではないですが相当白い個体です。白系スプレンデンスはほかにも素晴らしい個体が育成されていますが、それらは次号ハオルシア研究で紹介します。

中国でのハオルシア人気はおおむね日本の流行の10~15年あとを追いかけていますので、玉扇・万象から始まり、ピクサ、スプレンデンス、さらにはオブツーサ系、レース系へと進むと見られる人気の推移からすると、中国での次の流行はスプレンデンスになると見られます。事実①のスプレンデンスを150万円で落札したのは中国人だということです。

日本でもスプレンデンスの流行は始まったばかりで、優良品種の培養苗などが市場に出回るようになってから本格化すると見られます。その場合、培養の小苗などは相当安く販売される可能性がありますが、例えば写真①、②、③の小苗が卸市場を通じて1本2千円で花屋などの店頭に並べば、おそらく各1万本は売れるでしょうから、3品種で6千万円の市場が見込まれるということになります。


次にオブツーサ系ですが、一時かなり高騰していた紫オブトの価格も安定してきて、大株で3~5千円程度、中小苗なら1~2千円程度とほぼ妥当と思われる価格になっています。ブラックオブトはまだ高いですが、繁殖が進めば紫オブト並みになるでしょう。

一般市場には「薄紫」がかなり出回っていますが、これは分類上は紫オブト(H. vista) ではなく、特大型のH. ikraだと見られます。そのため非常に仔吹がよく、まめに仔を取ってやらないと形が崩れてしまいます。しかし単頭で作れば直径は8cm近くなり、完全無毛丸頭なので、園芸上は紫オブトの一つとして扱っています。

「薄紫」は相当な弱光下で育てても徒長せず、扁平に形良く育てられます。紫オブトは光の強さが6千ルクス以上ないと徒長してしまいますが、薄紫は4千ルクスでもほとんど徒長しません。通常の明るい室内は4千ルクス程度ですから、室内で育てる場合、紫オブトは徒長してしまいますが、薄紫は徒長させずに育てられるということになります。

オブツーサ系で最人気なのはその斑入り、オブト錦です。最近はマリン(宝草錦x紫オブト)や京の花火(京の華錦x紫オブト)などに紫オブトを戻し交配したと思われる斑入りが多数作られ、それぞれに名前を付けて売り出されています。初期に作出されたものに「残雪オブト錦」とか「花水晶」とかの名前を付けることは、他に類似品種がないわけですから問題ありませんが、最近のように類似の斑入りが多数作出されるようになると、個別個体にそれぞれ別名を付けてもラベルなしには識別不能ですから、正しい品種とは言えず、すべて単にオブト錦となります。

同じような現象はすでに玉扇、万象、コレクサなどで起こっており、これらの斑入りは特別なものを除きすべて単に玉扇錦、万象錦、コレクサ錦として取引されており、それで何の混乱も起こっていません。例えば実生の玉扇錦に順に名前を付けたとしても、そのほとんどはラベルなしでは識別不能ですから、それらは品種ではなく、名前を付けるとかえって混乱を招くことになります。

マリンや京の花火は簡単に再作出でき、かつ繁殖も容易ですから、多数の親株をそろえられ、それらに紫オブトを戻し交配すれば相当な確率でオブト錦ができます。したがって今後も多数の新しいオブト錦が作出されるでしょうが、それらは特別なもの以外すべて単にオブト錦として扱われるべきです。名前を付ければ売れるからとばかりに、類似個体に次から次へと名前を付けて売り出す業者やセミプロの素人だまし商法には注意してください。

そのような次第で、多くの育種家がマリンや京の花火を使って多数のオブト錦を作出しており、さらにその多くはマリンや京の花火と同様に繁殖容易と見られますから早晩多数のオブト錦が市場に出回るようになるでしょう。そうなれば価格も相当低下するはずです。繁殖力の強さからして、10年もたてばこれらオブト錦は今の宝草錦や京の華錦のような存在になるかもしれません。

最後に紫オブト以外のオブト系やレース系はH. davidiiやH. venustaなどを除くと、まだほとんど市場に出回っていませんが、私自身の好みからすると全ハオルシア中、最も美しいと思われる種が多数あります。現在のマニア市場向きではありませんが、繁殖が進んで一般市場に出回るようになればおそらく大人気になると思われます。それらの種についても折を見て順次紹介していく予定です。 


なお、この記事は玉扇・万象の暴落に狼狽したり当惑している収集家のために書いたものです。玉扇・万象の暴落はこれまでの価格が投機マネーによるもので、マニア層にしか市場がないので当然の結果です。しかし一般趣味家人口の多いピクサやスプレンデンス、オブツーサ系などでは玉扇・万象につられて高騰したバブル分の下落はあってもそれほど大きな価格下落はないだろうという見通しです。

玉扇・万象の暴落につられて安くなった今が買い時という見方もありますので、狼狽様子見をして「あの時買っておけば」ということのないよう、ご注意ください。一方、オブト錦は今後大量に育成・繁殖されるようになると見られますから、むしろ時機を見て購入する方がよいです。

また組織培養では原則的に小苗しか生産できませんから、一般趣味家の実需がある品種群では大苗の価格はそれなりに維持されるでしょう。

H. pallensと仙女香

H. pallens Breuer&Hayashiという種はGrahamstown郊外 北東数キロメートルのところに生えている植物です。Alsterworthia International誌のSpecial Issue 7の7ページ(2004) に正式発表されています。

おおむね全緣(無鋸歯)ですが、鋸歯のある個体もしばしば見られます。やや黄色味を帯びた、尖った葉先の艶のある浅緑色葉で、葉先はスリット様透明部が集合して比較的大きな窓となります。中小苗の内は単頭ですが、大きくなると仔吹して群生します。

この系統はH. teneraの無鋸歯型(H. denuda n.n. Pluto’s Vale)が大型化したもので、H. caerulea (Helspoort)からH. pallens (Grahamstown)、H. yocans n.n. (Gladhurst)、H. elegans n.n. (Koonap Bridge)、H. hogsia n.n. (Hogsback)、H. speciose n.n. (Thomas River)などがこのグループです。

この仲間は尖った葉先に窓のある浅緑色葉の一群で、オブト系とシンビ系との中間的存在です。窓の大きなきれいな個体はオブト系に近いですが、窓の小さな個体は細葉のシンビ系といった感じです。

なお、仙女香は原種ではH. pallensに最も近いと見られますが、H. pallens そのものの斑入りではなく、斑性から考えるとおそらくミルキークラウド(オブト交配の白ノリ斑)にH. pallens(あるいはH. seturifera)がかかったものではないかと推定されます。

斑性は非常に遺伝性が高いので、交配親の推定には有力なデータです。白斑はオブト系、シンビ系に限らず、非常に少ないですが、その中で仙女香に最も近い斑性の植物はミルキークラウドです。

仙女冠も白ノリ斑ですが、こちらはほぼ完全なノリ斑(周縁斑)で、スジ斑の部分があったとしてもおおむね源平斑(大模様の斑)です。一方、ミルキークラウドはノリ斑と細かなスジ斑が混ざった斑で、この斑性は仙女香と同じです。

ミルキークラウドは奇形花で一般に不稔ですが、まれに正常な花が咲き、これは受精可能ではないかと見られます。おそらくそのような正常花が咲いたときに偶然H. pallensかH. seturifera の花粉がかかり、仙女香ができたのではないかと推定されます。

ミルキークラウドが結実するチャンスは非常に少ないものの、結実すれば少なくとも5~10粒程度の種子ができたのではないかと考えられます(あまり少ないと子房が肥大せず、途中で落果してしまう)。したがって仙女香には実生の兄弟株の存在が考えられます。

私のところには2系統の仙女香があり、一つは一般的な仙女香、もう一つはより大型で仔吹しないタイプです。小さいうちは全く見分けがつきませんが大きくなるとサイズと仔吹性で差が出てきます。どちらも同じ仙女香という名で入手したものです。

そうして見ると、掲示板で質問のあった”仙女香“も同じ実生兄弟の異個体という可能性があります。標準的な仙女香よりやや棒状葉という個体です。あるいはほかにも別タイプの異個体があるかもしれません。もう少しデータやサンプルが集まった時点で改めて整理する必要があるかどうか判断したいと思います。

最後に、仙女冠はH. seturifera の原種そのものの斑入りで、雅楽殿白斑といわれていたものから出現した全斑です。

リビダとその近縁まだら系

リビダ(H. livida)は一般に直径5cm以下の小型種ですが、葉の表裏に大きな斑紋があり、それらが繋がって、まだら模様の窓になる美しい種です。産地はWorcesterの東の低い丘陵の斜面に一か所だけが知られています。この丘には他にH. pubescensとH. pallidaが生えています。

H. lividaとH. pubescensは草姿や大きさが非常によく似ているだけでなく、花の形や開花期も全く同じです。一方、H. pallidaの開花期は全く異なり、H. lividaやH. pubescensの開花期とは重なりません。また花の形も全く違います。

Photo 1  H. livida D=5
写真1. H. livida D=5

Photo 2  D=5
写真2. H. livida D=5

写真1~2は最近輸入されたH. lividaです。写真1は一般に流通している平均的な型に近いものですが、斑紋が大きく、ほぼは全体が窓になる非常に美しいものです。写真2もやはり斑紋が多く、それがつながって斑紋というより格子状の窓になり、マガダスカルの水草、レース草を想起させます。葉の半分以上が窓という美個体です。

Photo 3  H. livida D=3.5
写真3. H. livida D=3.5

写真3はH. pubescensとして輸入したもので、当初は窓が全くなく、しかしH. pubescensの特徴である微小繊毛もほとんどない、変な個体でした。ところがこれを育てていたら、写真のように葉に大きな窓が出現し、どうもこれはH. lividaらしいということになりました。しかしよく見ると葉の表面や葉辺に微小繊毛のあることがわかります。H. lividaの場合、葉辺にあるのは微小繊毛ではなく、はっきり鋸歯と判断できる大きさの突起(刺)です。

Photo 4  H. cf. livida D=4
写真4. H. cf. livida D=4

写真4は同じくH. pubescensとして輸入したもので、葉全面に微小繊毛が生え、その点ではH. pubescensと判断してもおかしくはない個体です。しかし輸入当初から葉色が薄く、何か変だなと思っていたのですが、育ててみたら斑紋状の窓が顕著になり、どうもこれもH. lividaらしいです。しかしこの株は葉の葉辺はもちろん、葉の表裏全面に微小繊毛が生え、この点では明らかにH. pubescensです。

写真3と写真4の個体は斑紋状の窓がある点ではH. lividaですが、葉の表面に微小繊毛がある点ではH. pubescensです。つまり両種の特徴が混ざり合った中間型と見られます。

写真2、3,4は同じ時にもう1本のH. lividaと一緒に南アフリカから輸入したもので、輸入時の株や根の形状から見て、実生苗ではなく野生株と思われます。

南アフリカでもH. lividaやH. pubescensの産地を知っているのはごく少数で、相当ハオルシアに詳しい人だけです。同一亜属のハオルシアの産地は例外なく地理的によく分離されており、あるいは産地が近ければ花期によって生殖的に隔離されています。
そうしてみると、これら個体を採集した、ハオルシアに相当詳しい人が種の同定を間違えたということは、この2種は混生しているか、少なくとも産地が分離していないことを示しています。つまりH. lividaはH. pubescensの群落中の有窓の特異個体である可能性がかなり高いと言えます。結論には詳細な産地調査が必要ですが、もしそうならH. lividaは種ではなく、H. pubescensの特異個体群である品種グループだということになります。

このような場合、H. lividaやこれら中間型をどう呼ぶかという問題ですが、H. lividaあるいはH. pubescens、またはH. pubescens var. lividaのいずれの名も種や変種として産地が分離していないなら正確ではなく、集団中の特異個体の品種グループとしてLivida とするのが妥当です(グループ品種名には一重引用符を付けません)。

Photo 5  H. lividioides nom. nud.  D=8
写真5. H. lividioides nom. nud.  D=8

Photo 6  大型 lividioides  D=10
写真6. H. lividioides nom. nud.  D=10

Worcester周辺からNamaqualandにかけてはH. lividaと同じく、葉に斑紋(気泡紋)やそれが繋がったまだら窓のある美しい種が多数あります。比較的よく知られているものではWorcester南のH. maculate、あまり知られていないWorcester東のH. lividioides nom. nud.(写真5、6)、ほとんど知られていないWorcester 北東、Hexrivier西側のH. hexia nom. nud.(写真7、8)があります。

Photo 7  H. hexia nom. nud.  D=9.5
写真7. H. hexia nom. nud.  D=9.5

Photo 8  H. hexia nom. nud.   D=7
写真8. H. hexia nom. nud.  D=7

H. lividioides nom. nud. はH. maculataに近いですが、窓ははるかに大きく、斑紋というより細かな格子状窓になります。葉先1/3から半分近くが窓になる美種です。一般には直径7~8cmですが、直径10cmを超える大型個体(写真6)もあります。

H. hexia nom. nud. はHexrivier東側のH. limbataと近縁ですが、鋸歯はより弱く、斑紋はより多く、写真の個体のように美しいまだら窓になるものも稀ではありません。窓の大きな個体では薄い赤褐色に色づく場合が多く大変きれいですが、Kanetvlei(2010年にSheilamからH. cf. nortieriとして発売された)など産地によっては窓が小さく、全く色づかない場合もあります。

Photo 9  H.  citrina nom. nud.  D=8
写真9. H. citrina nom. nud.  D=8

Photo 10  H. citrina nom. nud. D=9.5
写真10. H. citrina nom. nud.  D=9.5

H. hexiaから北に100kmほど行ったところには、おそらく全く知られていないH. citrina nom. nud.(写真9、10)があります。距離は離れていますが、間違いなくH. hexiaに近縁です。写真の個体は見事な橙色(オレンジ色)ですが、平均的にはより淡色の黄橙色なので“citrina”と名付けました。

地理的にはH. nortieriに近いのですが、形態的にはむしろH. dimorphaに近く、オレンジ黄色のH. dimorphaといった感じです。なお写真の植物はいずれも87.5%遮光下で栽培されているものです。冬でも色はさめませんが、H. hexiaと同じく、夏でもほとんど色づかない個体もあります。
H. livida自身も含め、これらの近縁種はいずれも初夏(6月)咲きです。

ハオルシア品種名登録申請による登録品種のご紹介

ハオルシア品種名登録申請により登録された新品種をホームページに掲載しました。

Cultvers 2のページでご覧いただけます。リンク→ Cultivars 2
尚、これらの新品種は全てハオルシア研究33号に掲載され発表されています。

以下はその一部です。他の品種及び大きな画像は上記リンクよりご覧ください。

reg-s
左上「紫白(’Shihaku')」、右上「夢枕('Yumemakura')」
右下「白狐伝('Byakkoden')」、左下「黄華錦('Ōka Nishiki')」


日本ハオルシア協会はハオルシア品種の国際栽培品種登録機関(ICRA)となっております。
ハオルシアの品種名登録をされたい方は、以下のページより詳細をご確認頂き、登録方法に従って申請してください。

ハオルシア品種名登録受付

なお、既存の品種名との重複名、命名規約に則らない無効名などは登録出来ません。
既存品種名については以下のページをご確認ください。

品種名一覧

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ハオルシア品種名の商標登録について、ブログにてお知らせしましたが、ホームページにも掲載しました。

ハオルシア品種名の商標登録

詳細は上記よりご確認ください。


H. crystallina Hayashi 'Nata de Coco' (ナタデココ)

こちらでハオルシアフェスタの前の最後のブログ記事になります。

ハオルシアフェスタ2017は、4月23日(日)開催の予定です。詳細は近日中にまたお知らせします。

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H. crystallina Hayashi  'Nata de Coco' (ナタデココ)  DMH

H. crystallinaは2005年にH. rooibergensisとして輸入された群落標本(7本)をH. rooibergensisとは別種であるとして記載したものです。H. rooibergensis (写真1)より窓が大きく、鋸歯が小さく、かつ葉が硬いことが相違点です(写真2)。産地的には非常に近いようです。

写真1 H. rooibergensis
 写真-1 H.  rooibergensis 径7.5 cm

H. rooibergensisは系統的にはH. villosa (Joubertskraal, Jubertina)やH. erii (Doornkloof, East of De Rust)の子孫と推定されます。軟質で大きめの窓と繊細な鋸歯を持ち、単頭性であることなどが共通です。

写真2. H. crystallina
 写真-2 H.  crystallina  径8 cm

ところがその後H. rooibergensisやH. crystallinaとして輸入されるものの中には標準的なH. crystallinaよりさらに鋸歯が小さいものがあり、中にはほとんど全縁(鋸歯がない)ものもあります(写真3、4、5)。

写真3 H. crystallina ‛ナタデココ’'
 写真-3 H. crystallina ‘ナタデココ’ 径8.5 cm

写真4 H. crystallina ‘ナタデココ’
 写真-4 H. crystallina ‘ナタデココ’ 径 8 cm

写真5 H. crystallina ‘ナタデココ’
 写真-5 H. crystallina ‘ナタデココ’ 径 6 cm

これらがH. crystallinaとはさらに異なる新種なのか、それともH. crystallinaの群落内の個体変異に過ぎないのかは現地調査をしてみないとわかりません。別群落を形成していれば別種、同一群落内に混生していれば同一種内の個体変異ということになります。

いずれにせよ、これら鋸歯の少ない個体は標準的なH. crystallinaより葉が太く、窓が大きく透明で、かつ葉質が硬いので透明窓の屈折率が高く(この点はH. crystallinaと同じ)、非常に魅力的です。写真5の個体などはほとんどオブツーサ類のような感じです。

分類学的にH. crystallinaと同一種かどうかは別としても、少なくとも園芸的には区別されるべきだと思いますので、写真3~5のような個体群を‘ナタデココ’と呼ぶことにします。種としてはとりあえずH. crystallinaのままです。

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☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

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