登録商標の使用規定改定について

 

当会ではこれまでに89件の優良ハオルシアの品種名を商標登録し(別記表2)、そのすべてについて簡便な手続きの包括使用契約で会員他の方々が使用できるようしてきました。

包括使用契約では商標 (品種)を特定せず、契約者は2年分の会費を前納すればどの商標でも、何回でも自由に使うことができました。また多肉植物の年間売り上げが30万円未満の方は包括契約をしなくても、使用するIDなどの届け出をすれば、無料でこれらすべての登録商標を使用できました。

使用条件は 園芸植物の名前の国際標準である国際栽培品種命名規約の遵守(正名の使用等)と、② 商品名の表示方法についてハオルシアの国際栽培品種登録機関である当会の指導に従うこと、です。

これにより多くの方が商標登録された正しい品種名でハオルシアの取引を行うようになり、また国際栽培品種命名規約の遵守が条件となっているために、登録商標以外の品種名についても正名の使用が進むなど、品種名の統一に向けて大きな前進がありました。

 

一方、組織培養が普及したことにより、商標登録された優良品種が中国や韓国、台湾などで大量に繁殖され、日本に逆輸出されて価格破壊的な低価格で売られています。

組織培養では品種の優劣にかかわらず、どの品種でもおおむね1100円以下で、日本国内でも培養苗は養生済で1200300円程度で生産できます。

中国などの場合、培養の生産原価は110円から30円程度です。1年以上養生した丈夫な苗を輸入する場合でも、運賃や通関料、手数料などを加えても15060円から、高いものでも200円以下で輸入できます(斑ものや新品種を除く)。

 

日本のサボテン業者などはこのような培養苗を自ら生産したり、海外から輸入しても、安価には売らず、かつ少量づつ販売していました。安価な苗を大量に売って市場価格が大幅に低下すれば自分の首を絞めることになるからです。これらの苗は高いものでは小苗で1万円以上もの価格で売られていましたから、ぼろもうけと言っても良いでしょう。

ところが中国などでハオルシア優良品種が安価に生産されるようになると、当然それを輸入してヤフオクなどで一儲けしようとする輸入転売業者が出現します。そのほとんどは植物関係の業者ではなく、ハオルシアのことなど全く知らない素人です。また事情をよく知らずにアルバイト感覚で頼まれて代理出品する家庭の主婦なども多数いるようです。彼ら(彼女ら)がハオルシアのことをほとんど知らないことは出品している商品名のいい加減さから容易に想定できます。

彼ら(彼女ら)はハオルシアで生計を立てるのではなく、とりあえず一儲けまたは小遣い稼ぎの目的で販売しますから、相場が大幅に低下しても気にせず、安く出品して大量に売りさばこうとします。

輸入原価が100円程度ですから彼らはそれに近い価格で、かつ同一品種を一度に10本以上~数十本も出品するので、それ以前は小苗で11万円程度していた品種が数年で1/10程度の価格になってしまいます。ヤフオクなどの趣味家市場は人口規模が小さい(1万人以下)ので100本も販売されればすぐに価格の暴落が起こります。

 

培養苗が普及すればこのような状態になることは以前から私が警告していた通りです。

4050年前にサボテンの緋牡丹は愛知や静岡、北関東などで大量に接ぎ木され、輸出産業となっていました。しかし中国や台湾などの安価攻勢に対抗できず、海外市場のみならず、国内市場まで奪われて壊滅状態になってしまった歴史をご存知の方も多いでしょう。

緋牡丹の時は安値攻勢に対抗するすべがなく、指をくわえて見ているしかなかったのですが、角折日本が世界に先駆けて園芸化させたハオルシアが緋牡丹の2の舞になるのは何としても避けたいところです。

 

そこで当会が考え出したのがハオルシア優良品種を大量に商標登録し、それによって価格破壊的な安値販売を阻止しようというものです。ハオルシア優良品種の商標登録には品種名統一の一助とする他に、海外の安値攻勢に対抗する手段にする狙いもありました。

しかし品種名が統一されると、品種名を勝手に変え、初心者をだまして売りつけるという、一部サボテン業者がそれまで行ってきた悪徳販売ができなくなってしまいます。そのためこれら一部サボテン業者は品種名統一に強硬に反対していました。

ところが当会が優良品種の商標登録を始めると、彼らは商標権侵害を避けるためにこれら品種に対して業界優先名なる統一別名を提唱し、これを使うよう呼び掛けています。品種名統一には反対だったはずですが、統一別名を使うよう呼び掛けるとは何とも矛盾した話です。それなら初めから国際基準に合致した品種名統一に賛成すればよかったわけです。

さらに前記輸入転売業者も商標権侵害を避けるために、この業界優先名を利用して人気優良品種を大量販売しています。つまり業界優先名が輸入転売業者の違法販売を側面援助する形になっています。その結果として輸入転売業者の価格破壊により、既存サボテン業者が大打撃を受けているのが現状ですから、まさに自業自得です。

 

緋牡丹の場合は海外からの安値攻勢に対抗するすべがなく、あっという間に国内業者は壊滅状態になりました。しかしハオルシアの場合、それを見越して優良品種が多数商標登録されているのでまずは裁判でこれら登録商標品種の無断輸入、無断販売が違法行為だという判決を得、次には刑事告訴してこれら違法行為を撲滅していく方針です。

関税法違反(商標権を侵害する物品の輸入)と商標権侵害はともに懲役10年以下、罰金1千万円以下となっていて、窃盗罪の懲役10年以下、罰金50万円以下より重い罰則のある重犯罪です。甘く見ていると一生を棒に振る可能性があります。

 

ハオルシアは葉の模様などの変化の大きさと美しさで多肉植物全体の中でも圧倒的な人気植物となっています。しかしエケベリアなど他の多肉植物と比べ成長や繁殖が遅く、実生でも葉さしでも商品になるまでにはエケベリアなどの2~3倍程度の時間かかります。したがって優良品種の作出も相当長期の年月が必要です。

人気の高さと成長や繁殖の遅さ、育種に要する年月などを勘案すると、ハオルシア優良品種の適正価格はエケベリアなどの2~3倍程度、中小苗で平均1本千円~2千円程度ではないかと想定しています。また商標登録した品種はそれらの中でも特に優良な品種ですから、さらにこの23倍程度が適正ではないかと見ています。

 

ところで、前記のような裁判や刑事告訴により、登録商標品種の不正輸入、違法販売は撲滅されたとしても、暴落した市場相場は簡単には回復しません。

そこで、市場価格を適正価格近くまで回復させる手段として登録商標の使用規定を別記のように改定し、商標ごとに一定の使用料を科すことにしました。これまでの包括使用契約はすべて終了とします。奈良多肉植物研究会や富士多肉植物愛好会を通じて登録商標品種を販売されていた方は個別に使用許可を取って下さい。

別記表2の商標使用料金表では商標毎に科される使用料が異なります。使用する人はその商標使用料金に自分の利益を足して販売することになりますから、その品種の赤字にならない最低価格は商標使用料となります。これで一定の価格回復効果があると見ています。

 

ただし前記裁判の勝訴判決が出るまでの間は違法な輸入転売が継続される可能性があります。その場合、後記登録商標使用規定を直ちに全面実施して使用料を徴収すると、登録商標を正しく(正規に)使用して品種名統一にご協力いただいている会員などの方々がこれら輸入転売業者との競争上、非常に不利になります。

そこで別記登録商標使用規定(12)にあるように、会員に限り商標使用料の支払いは最初の勝訴判決が出るまで免除とします。勝訴判決には実質勝訴の和解や控訴も含みます。

支払方法は勝訴判決後にご案内します。

 

また商標使用料の免除を受けるには申し込みが必要です。住所氏名、連絡先、使用するIDなどを書いてメールで当会事務局までお申し込みください。既存会員の方は使用するIDだけで良いです。

使用料免除のお申し込みがない方は別記表2の料金表に基づいて使用料をお支払いただきます。6月末日までに使用料免除のお申し込みがない場合、5月分にさかのぼって使用料を請求します。

なお、別名、無名も含めて登録商標品種をまったく、あるいは1品種につき年間10本以下しか販売されない方は、商標使用料の支払い義務はなく、当然ながら使用料免除の申し込みも不要です。