前回のブログ(「タージマハル騒動」)に次のコメントが寄せられています。

『現在、ヤフオクでダージ・マハルという名前、おそらくタージ・マハルのスペルミスで出品されています。出品者に問い合わせたところ輸入したものとのことです。この記事を読ませていただいた後では入札するのは少し不安です。』

タージマハルの問題とともに、当会の登録商標の使用に関して簡単にご案内します。

タージマハルの親株は富士宮市の中島氏のところで葉挿しなどで若干の小苗が作られ、それが他の趣味家などに譲渡されています。その一部は中国に渡り、そこでも当然繁殖されていると思いますが、時期的には台湾に偽タージマハルが渡ったのよりだいぶ後なので、数的には偽物の方がはるかに多いと推定されます。したがって中国で繁殖されたタージマハルの大部分は偽物と考えた方が無難です。
 
日本でも本物のタージマハルが何人かの趣味家やセミプロによって組織培養で繁殖されています。組織培養なら最終的には100本、1000本単位で繁殖されますので、いずれ価格は下がります。その苗を待った方が確かです。

 偽タージマハル(ホワイトサミット)も相当白い株なので、小苗の内は識別が困難です。小苗でもある程の大きさになれば白点の密度や艶で識別できますが、鑑定には相当な経験が必要ですし、鑑定間違いも当然あるでしょう。リスクを冒してそのような苗を焦って買う必要はなく、いずれ安く出回るようになりますから、それまで待つことをお勧めします。

 なお、今回ヤフオクに出品された苗は当会が出品者に商標の無断使用の警告を出したので、出品者が自主的に出品取下げをしました。警告の内容はヤフオクの質問欄に出ています。

タージマハルという商標は現在特許庁で審判中ですので、無断使用すると登録後に損害賠償を請求されます。特許庁、高裁、最高裁などで最終的に登録が認められなければ損害賠償の請求はできませんが、もちろん当会としては当然登録されると考えています。

 またタージマハルという商標の使用は現在、中島氏と奈良多肉植物研究会にのみ許可しており、その他の誰にも許可していません。中島氏や奈良多肉植物研究会から買った苗でもそれ以外の人がヤフオクなどで販売する場合は別途許可が必要です。

 タージマハルに関してはこれまでに3名の方に無断使用の警告を出しており、当面他の方に使用許可を出すことは予定していません。ただし業界優先名など、消費者に大きな迷惑となる異名の使用を推奨する業者らに対する訴訟を現在準備中ですので、裁判開始後に下記条件で包括的使用契約の受付を始める予定です。

包括的使用契約は登録(契約)すればタージマハルも含め、当会のすべての登録商標や審査中の商標の使用ができるものです。前記裁判開始後に正式な使用条件をご案内しますが、大部分の会員は登録すれば当会のすべての登録商標が無料で使用できます。

包括使用料

使用許可条件は国際栽培植物命名規約の遵守(異名や重複名を使わないことを含む)。
新規でも入会すれば既存会員と同じ条件で当会の登録商標が使用できる。
無料使用でも使用許可にはヤフオクなどの出品者IDの登録が必要。
業界優先名などの異名を使う人には損害賠償を請求します。