昨年8月に起きた中島氏温室の盗難事件の犯人、鮑容疑者が4月に捕まった以降も窃盗団の活動は活発で、各地で被害や未遂事件が合い続いています。7月には2人目の犯人、田容疑者が静岡で現行犯逮捕されたのですが、この時現場から逃亡した共犯者はまだ捕まっていません。

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 このように4月以降も7件もの既遂、未遂事件が起きており、活動ペースは全く落ちていません。未遂が多くなったのは高額品を大量においてあり、効率よく盗みだせる栽培場が皆厳重な防犯対策を取ってきたので、泥棒にとって警戒が手薄でかつ高額品が集中して置いてあるような都合良い侵入先が減ってきたのが主な要因と見られます。窃盗団はおそらく新たな侵入先を物色しているのではないかと思いますから、引き続き厳重に警戒をお願いします。
 
 これまでに犯人は2人逮捕されたのですが、鮑は犯行そのものを否認しています。鮑は中島氏温室をそれまで訪れたことはないのに、鉢から指紋が検出されており、彼が犯人であることはかなり確かと思われます。犯行当日鮑に同行した共犯者(見張り役?)がいたことは判っているのですが、もちろん共犯者の名前などは自供していないようです。

 窃盗罪の場合、刑法では10年以下の懲役、または50万円以下(!!)の罰金が科せられるのですが、初犯の場合や犯行を認めて反省(弁済)している場合、あるいは被害額が少ない場合などは執行猶予となることが多いようです。

 鮑の場合、初犯のようですから犯行を認めて共犯者などを自供すれば執行猶予となる可能性が高いですが、犯行を認めず、共犯者など、捜査にも全く協力しないとなると2~3年の実刑(懲役)となる可能性が高いです。1年以上の懲役刑ですと服役後に強制送還(強制退去)となり、中国に送り返されます。

 鮑には岡山に妻子もいるのですから、普通に考えれば犯行を認めて捜査に協力し、執行猶予となる方がはるかに良いはずです。懲役刑なら強制送還になるということはおそらく弁護士などから聞いて承知していることと思いますが、それにもかかわらず否認を続けるのは何か理由があるはずです。
 
 犯行を認めて執行猶予となるより、否認を続けて服役後強制送還になった方が良い理由、それは帰国後に窃盗団のボスから大きな報酬が約束されているからに相違ありません。つまり犯行を認めずに共犯者の名前も隠し通せば、中国帰国後にかなりの報酬がもらえる約束があるからでしょう。

 一連の事件の窃盗団は別グループだとしてもおそらく互いにつながりがあり、中国にその大ボスがいると推定されます。事件の被害総額は約13億円ですから、闇オークションでたたき売ってもその半分くらいの金は手にしていることでしょう。そうであれば、実行犯には1人数百万円~1千万円程度の報酬が払えるわけです。たとえば1千万円の報酬を手にすると、中国の田舎では貨幣価値は日本の約10倍ですから、1億円をもらう勘定になります。日本の刑務所で2~3年我慢すれば1億円もらえるとなれば捕まった犯人のだれも共犯者など自供しないでしょう。したがって7月に捕まった田も黙秘を続けると思われます。

 もしそうだとすると、今後新たに犯人が捕まったとしても、すべて強制送還覚悟で否認ないし黙秘を押し通します。したがって共犯の実行犯はもちろん、下見役や日本国内の小ボス、中国の大ボスには捜査の手が及ばない可能性が高いです。窃盗団にしてみれば数百万円~1千万円の報酬を提示すれば、実行犯はいくらでも調達できます。日本の刑法は罰が軽く、刑務所は待遇が良いですから、たとえ捕まっても否認や黙秘を押し通して2~3年刑務所で我慢すれば、強制送還の後で1千万円もらえ、中国の田舎ではその後一生遊んで暮らせるわけです。

 したがって今後実行犯が捕まっても、窃盗団はいくらでも新たな実行犯を調達でき、それらに引き続き窃盗をさせるでしょう。こちらとしてはさらなる防犯対策をとって自衛することが何より大切です。

 しかし防犯対策が進めば効率的に高額商品を盗みだすのはなかなか困難になり、事件の頻度も低下すると思われます。そして2~3年後に鮑や田が刑期を終えて強制送還されるころには事件が収束している可能性があります。そうなると窃盗団の大ボスにしてみれば強制送還された彼らに今更報酬を支払う必要性はなく、鮑や田は結局ただ働きをさせられたという可能性もあります。かといって支払いを求めて裁判というわけにもいかず、腹いせにボスや大ボスの名前を捜査当局に密告する可能性もあります。

 もっともこれくらいの被害額の事件となればおそらく中国マフィアが絡んでいますから、鮑や田が中国でボス達ともめれば口封じで消されてしまう可能性もあります。結局は泣き寝入りが良いところでしょう。もっとも報酬の約束ではなく、あるいは単にしゃべったら殺す、と脅かされているのかもしれませんが、そうであれば日本にいるほうがはるかに安全ですから、強制送還を逃れるために犯行を認めるはずです。犯罪者同士の約束など何の保証もないのに、律義に否認や黙秘を続ける鮑や田がむしろ哀れです。彼らは強制送還された後で、本当に約束の報酬を手にすることができると思っているのでしょうか?

 EUやアメリカでも移民などに紛れて豊かな国で一儲けしようとする犯罪者が問題になっており、イギリスがEU離脱を決めたのもそのことが大きな理由の一つだといわれています。日本もその例の一つですが、今回のハオルシア連続窃盗事件のように、庶民の経済格差が大きいと、豊かな国で荒稼ぎし、捕まっても帰国すれば稼いだ金や報酬でその後安楽に暮らしていけるようでは、日本に来て粗稼ぎしようとする犯罪者は後を絶ちません。
中国で1億円も盗めば死刑ですが、日本では最高で10年です。これでは泥棒も日本で仕事をしたがるわけです。やはり厳罰化が必要だと思います。窃盗や詐欺で被害額が1億円以上なら死刑、それ以下なら無期懲役か50年以下の懲役というように大幅な引き上げが必要でしょう。

 また刑罰は内外無差別が国際的な標準ですが、豊かな国を狙った犯罪やテロが横行する現状から、外国人の犯罪には刑を重くする必要があるでしょう。トランプ氏が大統領候補になったのもそのような不満が大きかったからだといえます。今後は世界的に外国人犯罪に対する重罰化が進むのではないと思います。
同じような理由で刑務所の待遇も見直す必要があります。刑務所の生活が苦にならないようでは犯罪抑止効果がありません。全体的な待遇を低下させ、さらに出身国の刑務所の待遇に準じて待遇を分けるべきです。

 刑の軽さや刑務所の待遇の良さから、日本は犯罪者にとって天国のような国だといわれています。振り込め詐欺やねずみ講が後を絶たないのも、刑が軽すぎてすぐ出所でき、また同じことを繰り返す犯罪者が多数いるからです。犯罪収益を外国などに送ってうまく隠せばあとは安楽に暮らせます。これは外国人犯罪者にとっても同様です。

 したがって防犯対策や犯人逮捕の努力と同様に、あるいはそれ以上に、厳罰化または外国人犯罪に対する加重処罰への世論喚起が必要なように感じます。