公式サイトにて、ハオルシア栽培品種名登録の受付を開始しました。日本語及び英語の申請書と記入要領を新設のRegistrationページにUPしてありますのでご利用ください。

申請書内に「個体(英語版ではclone)」という表現があります。植物の栽培においてはよく使われるこの単語ですが、本来の正確な意味では使用されていないと思われますのでこの機会に解説します。

「個体」は通常、英語では"indivisual"ですが、これでは植物に関する専門用語でいう所のクローン(clone=各個体間の遺伝子構成が違う)と、ラメート(ramet=各個体の遺伝子構造は同じ)の区別がつきません。

実生の兄弟苗などは全て別クローンですが、培養や葉挿しで増やした苗は全て同一クローンとなり、その個々の苗個体を指す時はラメートと言います。

従って、クローンはラメートの集合です。ただ日本語ではラメートという語が浸透しておらず、両方ともクローンと呼んでいることが多いです。
また英語でもClone Sheep(クローン羊)が作られた、などと使いますがこれは親と同じcloneの羊という意味です。親と子、それぞれの個体はrametとなりますが、英語でもこの言葉はあまり浸透しておらず、使われることは少ないようです。
従って小さな辞書には載っていません。しかし混同(誤解)を招きやすいので、今後はramet=同じ遺伝子構成の個々の個体、clone=rametの集合、clones=異なった遺伝子校正の個体の集合と使い分け、個体と言う語はそのすべての場合の個体一般を示します。

例えば、小さな丘全体を笹が覆っている場合、全体がrametで1クローンしか生えていないのか、いくつかのクローンがあるのか、最近DNA解析をして判った例があります。その場合はそこには複数のクローンが生えていたようですが、このような場合にはラメートという語を使わないと研究結果を正確に伝えられません。

この用語の区別は非常に重要です。

植物を扱う場面でクローンという言葉を使用する際には、上記を念頭に置いて考えてみてください。よりその個体の性質を把握する助けになると思います。