(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました、1/3から順番にお読みください)



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table3-blackbeardiana
(図表はクリックすると拡大します)

 まずこれらの生育地をQueenstownWhittleseaCathcartKei River流域地方に分け、それぞれにどの種が生育するかを整理しました。H. blackbeardianaはこれらほとんどの地域に生育していますが、鋸歯が多いことでH. specksiiH. aqueaH. speciosaと区別できます。H. malvinaは他のすべての種と赤い葉色で区別できます。H. streamaH. stoniiKei River流域の種ですが、Kei River周辺及びその東側(Tsomoなど)はほとんど調べられていないので、この地方にはおそらく他にも多数の種が存在しているだろうと考えられます。H. blackbeardianaとは窓の大きさや透明度、葉脈の状態などで区別されます。

 Breuerはこれらの地方の鋸歯の少ない型はほとんどをH. specksiiとしています。しかしWhittlesea地方の少鋸歯植物はQueenstown地方のものに比べより深緑色で、水羊羹様の独特の窓をしている個体が多いです。これをH. aquea n.n.(水の)としましたが、おそらく同様の窓を持つH. riponsの子孫と見られます。しかしRipon地方とWhittlesea地方とは100 kmも離れており、もしこの形質がそれぞれ独立に出現したのでなければ中間地域に未発見種があるだろうと予想されます。

 問題はH. specksiiQueenstown地方とCathcart地方(Thomas River流域)とに生育しているのですが、両地域の群落に明瞭な差はないようです。群落数が多いので両地域で遺伝子プールを共有している可能性もありますが、何か見落としている差異があるかも知れません。とりあえず同一種にしましたがもう少し調査が必要に感じます。

 なお、H. specksiiExoticaの主人、Ernst Speck氏にちなむ名前です。Breuer氏は当初H. ernstiiと言う名を考えていたのですが、私が“Ernst”Kirstenbosch植物園のErnst Jaarsveld氏と混同される危険性を指摘して、H. specksiiとなったものです。

 全部は載せきれませんが、いくつかを地図上に表示すると次のようになります。各系統別だと良いのですが、時間がないのでとりあえずこれで位置関係を確認してください。



table4-blackbeardiana

table6


Dr. M. Hayashi