H. odetteaeは Odette Cummingさん(David Cumming氏の奥さん)にちなむ名前です。彼女はGrahamstown Universityに勤める才媛ですが、とても気さくで出身国のおいしいフィリピン料理を良く作ってくれました。野菜たっぷりの焼きそば風料理など、南アフリカの西洋風料理に飽きた日本人にとっては何かとても懐かしい味の料理です。

 odetteaeの産地(Lootskloof)
写真1 H. odetteaeの産地(Lootskloof)

さて、H. odetteaeはJansenvilleの少し東の、比較的限られた地域に小さな群落をいくつも作っています。写真1がその産地の一つですが、Euphorbia jansenvillensis等、トゲの多い植物の根もとによく生えていて動物の食害から身を守っているようです。

 odetteaeの自生状態
写真2 H. odetteaeの自生状態

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写真3 大型のH. odetteae MH 04-69. D=6.5

写真2のように、野生でも小型で綿のかたまりのようなかわいい植物ですが、小型の植物は群生するものが多い中で、写真のようにほとんどすべての個体が単頭です。国内で栽培しても野生のときと大きさがほとんど変わらず、最大で4~5cm止まり。それ以上大きくなる株はかなり珍しいでしょう(写真3)。かといって丈高くなることもなく、上に成長した分だけ下が枯れて根が球体を引っ張り込むので、長年栽培しても見かけがほとんど変わらないという特徴を持っています。

 odetteae MH 04-69-3, D=9
写真4_分頭性のH. odetteae MH 04-69-3, D=9 こちらから見ると形良い3頭立てだが・・・

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写真5  分頭性のH. odetteae. 写真4と同じ株。こちらから見ると5頭立て。

ところがH. odetteaeにはまれに分頭性の個体があり、この個体は栽培していくと数年に一度分頭し、株が次第に大きくなります。写真4, 5がそれで、現在は5頭になっています。少し前までは形良い3頭立てでしたが、1頭が2度分頭して5頭になってしまいました。繁殖のために1~2頭株分けするか、このまま大きくするか思案中です。
ハオルシアでは分頭性や群生性の個体は普通は敬遠されることが多いのですが、H. odetteaeに限っては希少性も観賞上も分頭性の個体の方が優れています。白系マミのような形良い群性株に仕立てることができるかもしれません。もっとも他の個体も肥培すれば分頭してくるかもしれませんが、今のところ未確認です。

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写真6 H. odetteae MH 05-229. D=5.5. 分頭を始めた株。

以前もう1株分頭性の株があったのですが、当時はあまり気にも留めずに3頭の形良い時に手放してしまいました。持っていれば分頭性同士で実生ができたのに残念、と思っていたら、最近分頭を始めた株を見つけました(写真6)。しかも‘翁草’(‘翁’を改名)のように葉裏全面に鋸歯が生える良タイプです。これで1~2年の内には分頭性株の実生ができそうです。


Dr.M.Hayashi