October 2014

遺伝資源へのアクセスと利益配分問題についての地方勉強会(農林水産省)

ひとつ前のエントリーにて名古屋議定書についてお知らせしましたが、これに関連して農林水産省が各地にて勉強会を開催します。

プロ・アマ問わず、植物を育成・販売などされている、またこれからされる予定の方には無関係ではいられない問題となります。既に期日が過ぎた地方もありますが、ご興味のある方は是非ご参加ください。

農林水産省からの通知を以下にUPします。

*勉強会の参加費は無料です。

****************************************************************

  



平成26年7月17日

 

関 係 各 位

 

農林水産省大臣官房環境政策課

北海道農政事務所農政推進部農政推進課

東北・北陸・近畿・中国四国・九州 各農政局生産部生産技術環境課

 

 

遺伝資源へのアクセスと利益配分問題を根底から理解するための

地方勉強会の開催について

 

 

 農林水産業は、植物・動物・微生物等の様々な遺伝資源を利用した研究開発に支えられています。その際、今日皆様が利用している遺伝資源は、生物多様性条約(CBD)などが定める国際的なルールにしたがって利用することが求められています。

 

 こうしたなか、CBDの実施をさらに確実なものとするための同条約名古屋議定書が本年1012日に発効することとなり、現在、政府は同議定書に対応するための国内措置を検討しています。

 

 その検討にあたっては、遺伝資源を実際に利用しているユーザーの皆様からご意見をいただきたいと考えていますが、的確なご意見をいただくためにも、この遺伝資源問題の背景やこうした国際ルールが及ぼすインパクトをご理解いただくことが重要です。

 

 今回、関東ブロックに引き続き、下記のとおりブロック別に勉強会を開催し、遺伝資源へのアクセスとその利用から生ずる利益を遺伝資源提供者に配分するという問題の背景には何があり、皆様が今後遺伝資源を利用する研究開発を行っていくときどのような点に留意すべきか、過去四半世紀の議論の流れを概観し、今後の対応をお考えいただく際に見通しよくするための基礎知識を取得していただきます。

 

 

 

 

・主 催: 農林水産省大臣官房環境政策課

 

 

・協 力: 北海道農政事務所農政推進部農政推進課

東北・北陸・近畿・中国四国・九州 各農政局生産部生産技術環境課

 

日時及び会場

 

日時

開催地

会場

平成2699()

14001600

(受付:1330)

定員:50

申込期限:92日(火)

 

 

札幌市

 

札幌市中央区北4条西17丁目19-

 北海道農政事務所 5階 大会議室

 (所在地:http://www.maff.go.jp/hokkaido/annai/annaizu/index.html

 お問合せ先:北海道農政事務所農政推進部農政推進課

 TEL011-642-5473 /FAX011-642-5509 担当:串田、今井

平成261212()

14001600

(受付:1330)

定員:60

申込期限:1128()

 

 

仙台市

 

仙台市青葉区本町3-3-1 

仙台合同庁舎 6階 第1・第2会議室

 (所在地:http://www.maff.go.jp/tohoku/info/add/kyoku/touhoku_kyoku.html

 お問合せ先:東北農政局生産部生産技術環境課

 TEL022-221-6214 /FAX022-217-4180 担当:阿部、黒沼

平成261215()

14001600

(受付:1330)

定員:50

申込期限:128日(月)

 

 

金沢市

 

金沢市広坂2-2-60

金沢広坂合同庁舎 1階 共用大会議室

 (所在地:http://www.maff.go.jp/hokuriku/guide/about/img/hirosaka_map2.jpg

お問合せ先:北陸農政局生産部生産技術環境課

 TEL076-232-4893 /FAX076-232-5824 担当:辻、宮井

平成261114()

14001600

(受付:1330)

定員:50

申込期限:11月4日(木)

 

 

京都市

 

 

京都市上京区西洞院通下長者町下ル丁子風呂町

 京都農林水産総合庁舎 専用第1会議室

 (所在地:http://www.maff.go.jp/kinki/use/map.html

 お問合せ先:近畿農政局生産部生産技術環境課

TEL075-414-9722 /FAX075-414-9030 担当:筒井、赤松

平成261113()

14 001600

(受付:1330)

定員:60

申込期限:116日(木)

 

 

岡山市

 

 

岡山市北区下石井1-4-1

岡山第2合同庁舎 10階 AB会議室

 (所在地:http://www.maff.go.jp/chushi/annai/index.html

 お問合せ先:中国四国農政局生産部生産技術環境課

TEL086-224-4511 /FAX086-232-7225 担当:平野、谷本

平成26102()

14001600

(受付:1330)

定員:50

申込期限:925日(木)

 

 

熊本市

 

 

熊本市西区春日2101

熊本地方合同庁舎 1階 講堂 

 (所在地:http://www.maff.go.jp/kyusyu/guide/kikan/kikanichiran.html

お問合せ先:九州農政局生産部生産技術環境課

 TEL096-211-9556 /FAX096-211-9745 担当:大久保、安藤

 

 

 

 

・プログラム(予定)

 14001405 開会挨拶(農林水産省大臣官房環境政策課)

 14051520 遺伝資源へのアクセスと利益配分問題の背景に何があるのか(仮題

         講師:農林水産省大臣官房環境政策課

 15201525 休憩

 15251535 農林水産分野における遺伝資源利用促進事業の紹介

講師:農林水産省大臣官房環境政策課

 15351555 質疑応答(講師)

 15551600 閉会挨拶

 

・参加料:無料

 

・定員及び申込期限:各会場の定員及び申込期限をご確認下さい。

別紙(参加申込書)をご利用の上、FAXでお申し込み下さい。

各会場の定員になり次第締め切らせていただきま

 

・注意事項:

1.会場の収容人数の関係で参加のお断りをする場合があります。

2.各会場へは公共の交通機関をご利用下さい。(車でお越しの際は会場周辺の民間駐車場を利用下さい。)

3.各会場の申込期日までにお申し込み下さい。

 

★ 勉強会に関するお問合せ先

 

  農林水産省大臣官房環境政策課地球環境対策室利用推進班

  TEL 03-3502-8458FAX 03-3591-6640

  担当:山本、髙田

 

★ 勉強会の会場に関するお問合せ先

 

  各会場の担当までお問合せ願います。

 

 

 

名古屋議定書

 名古屋議定書とは生物多様性条約(CBD193カ国参加)の一部をなす国際条約で、遺伝資源の利用とそこから生じる利益の公平な配分(ABS)に関する規定です。20141012日に発効しました。日本は採択時の議長国ですが、国内法の調整が未了のため、まだ批准していません。来年中には批准する予定ということです。

その主な内容は次の通りです。

 

① 遺伝資源とは『現実のまたは潜在的な価値を有する遺伝素材』で、遺伝素材とは『遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他に由来する素材』(CBD)。

② 従って農業、園芸、畜産の品種も遺伝資源である。

③ 遺伝資源を管理する権限は原産国または提供国にある。

④ 遺伝資源を利用する場合は、その原産国、提供国の法令に従って利用しなければならない。(利用者の国の法令ではなく、提供者の国の法令が優先する。)

⑤ 遺伝資源の利用者は利用に当たり、その原産国、提供国、または提供者の承諾を得なければならない(品種登録が無い場合でも)。

⑥ 遺伝資源の利用者は利用に当たり、その原産国、提供国、または提供者に利益を公平に分配しなければならない(品種登録が無い場合でも)。

⑦ 条約の締結国は④,⑤、⑥が守られるよう、違反者に対する罰則などの適切な制度(法令)を整備しなければならない。

⑧ 条約の対象とする遺伝資源は条約発効後に取得したものに限り、条約発効以前に取得、利用されたものへの遡及的適用はしない。

 

名古屋議定書は主に低開発国にある微生物などの遺伝資源を先進国企業が医薬品開発などに利用する場合に、その利益を遺伝資源の原産国、提供国、または提供者に公平に配分することを定めたものですが、注意すべきことは『遺伝資源』には園芸や農業の栽培品種も入ると言う点(上記②)です。

したがって今後は育成者に断りなくその品種を勝手に組織培養し、利益を上げることは原則的にできなくなります⑤。培養に限らず、繁殖して販売する場合にはすべて育成者と利益配分に関する事前の協定を結ぶことが必要になります⑥。育成者は利益配分の権利を得るために品種登録をする必要もありません。

また名古屋議定書は遺伝資源の国外での利用に対しても強制力があります⑦から、優良品種を国外に持ち出して大量繁殖するなどの脱法行為もできなくなります。品種登録では各国毎に登録する必要がありましたが、名古屋議定書では登録などは一切必要ありません。

ただし上記⑧にありますように、条約発効以前に流通、利用された品種は適用対象外です。日本はまだ名古屋議定書を批准していませんから、それまでは要注意です。

 

ただし日本で農業、園芸、畜産等の品種のどの範囲までを名古屋議定書の対象とするかは関係省庁間でまだ調整中です。製薬業界や、食品業界、Bio産業界、研究機関など、遺伝資源をもっぱら利用する立場の業界では農業、園芸、畜産の品種が名古屋議定書の対象になると自由な利用が出来なくなるとして、なるべき規制の少ない方向で名古屋議定書の対象を定めようと言う意見が強いです。

また『市場で一般に流通する農産物や種苗(コモデティ)は名古屋議定書の保護対象外』にすべきと言う意見も有力です。この場合、例えば観賞用に売られているある新品種を買ってきて趣味で栽培するのは名古屋議定書の対象外ですが、これを組織培養して販売するのは目的外利用として規制していく必要があります。

 

日本の農業、園芸、果樹、畜産などにおける育種レベルは世界最高水準のものが多数あります。しかし各国毎に登録しないと育成者権が保護されないと言う現況制度の欠陥を突いて、コシヒカリやイチゴなど多くの日本の優良品種が海外で大量栽培され、利益を上げているのに、全く文句が言えないのがこれまでの状態でした。ハオルシアでも国外の海賊培養業者やそれを利用した国内業者などが育成者を無視して利益を上げているのが現状です。名古屋議定書でこれら品種の育成者権が適正に保護されるようになればこれらの不法ないし脱法的商売は根絶されます。

 

このように、名古屋議定書は日本の農業、園芸関係者、特に育種家にとっては極めて重大な問題ですが、その重要性はほとんど認識されていません。また、政府内でも遺伝資源をもっぱら利用する立場の業界の意見に重心が偏っており、国内措置法の検討委員会でも農業、園芸関係者はわずかに(株)タキイのみです。したがってすでに流通している品種はともかく、これから市場に出てくる新品種は名古屋議定書の対象として確実に保護されるよう、遺伝資源の提供者としての立場からの意見も大いに表明し、国内法の内容をしっかり注視していく必要があります。

 

 国内法の検討委員会の検討作業は終わって報告書も出ていますが、名古屋議定書で保護対象とする範囲などの詳細はまだ決まっていません。農水省でもこれらの詳細を詰めているところのようですが、これに関する農水省主催の地方勉強会が次のように開催されますので、関心のある方は参加されて質問や意見表明などをされることをお勧めします。またお知り合いの園芸、農業関係者に名古屋議定書の重要性をぜひともお伝えしてください。


また、これに関連して農林水産省による「遺伝資源へのアクセスと利益分配問題を根底から理解するための地方勉強会」が開催されます。次のエントリーで詳細をUPします。

☆コメントは承認後に公開されます。
☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

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