会報の発行と会費について(会員向け)

会報の発行について「不定期すぎて会費の納入が不安」というご意見が寄せられましたので、協会にて協議致しましたのでお知らせします。

まず、現状の内容とレベルを維持してきちんと定期的に会誌を発行するのは、現在の体制では無理だという点はご了解いただきたいと思います。

しかし定期的に発行することを優先して内容やレベルを下げて、あるいは必ずしも正確でないデータのまま(もしくはデータなし)で会誌を発行することは、おそらく殆どの会員の方は望んではいらっしゃらないでしょう。
大部分の会員の方は定期的に発行されることより、内容の充実した正確な記事を望まれているのであろうと理解しています。

かといってあまりに不定期だと、上記のようなご不安を感じられる方もいらっしゃるかと思います。
その為、協議した結果、会誌の発行と会費について次のように決定致しました。

1)年間会費 ¥5,000.-(現状と同じです)

年会費としてお支払いただいていた会費を、普通号の会誌2冊(2号)予約分として扱うことにします。
(品種名総覧や写真集などは特別号となり、この扱いに含まれません)

2)これに伴い、会誌の販売価格(購読価格)を変更します。

・1冊のみ : 1冊¥3,000.-(予約、既刊に関わらず)
・2冊以上 : 1冊¥2,500.-(同上)
・10冊以上 : 1冊¥2,000.-(バックナンバー等のまとめ買い)

3)発行が不定期なので予約で払うのは不安だと言う方は、発行後に1冊ずつご注文ください。

継続会員の方で会費切れの方は次号発行の際に会費納入の督促が1回だけ行きますので、それからお支払いいただいても結構です。
督促にもかかわらず次次号発行までに会費納入いただけなかった会員には2回目の督促は行わず、退会扱いとなります。

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次号、29号は今のところ2月末発行予定です。

会報の発行はおおむね年2冊の予定ですが、これは目安となります。
品種名総覧の場合や、これから予定されている写真集などの特別号が入ると発行スケジュールは大幅に変更される可能性が大です。


なお、編集の負担を減らすために、取材を手伝っていただける方を募集しています。
内容は各地の会員、特に新規会員の栽培場を訪問して、自慢の作品や育成途上の有望そうな新品種などの写真を撮り、紹介していただくことです。自薦他薦を問わず、ご一報いただけるとありがたいです。


ブラックベルデアナとその近縁群(3/3)

(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました、1/3から順番にお読みください)



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table3-blackbeardiana
(図表はクリックすると拡大します)

 まずこれらの生育地をQueenstownWhittleseaCathcartKei River流域地方に分け、それぞれにどの種が生育するかを整理しました。H. blackbeardianaはこれらほとんどの地域に生育していますが、鋸歯が多いことでH. specksiiH. aqueaH. speciosaと区別できます。H. malvinaは他のすべての種と赤い葉色で区別できます。H. streamaH. stoniiKei River流域の種ですが、Kei River周辺及びその東側(Tsomoなど)はほとんど調べられていないので、この地方にはおそらく他にも多数の種が存在しているだろうと考えられます。H. blackbeardianaとは窓の大きさや透明度、葉脈の状態などで区別されます。

 Breuerはこれらの地方の鋸歯の少ない型はほとんどをH. specksiiとしています。しかしWhittlesea地方の少鋸歯植物はQueenstown地方のものに比べより深緑色で、水羊羹様の独特の窓をしている個体が多いです。これをH. aquea n.n.(水の)としましたが、おそらく同様の窓を持つH. riponsの子孫と見られます。しかしRipon地方とWhittlesea地方とは100 kmも離れており、もしこの形質がそれぞれ独立に出現したのでなければ中間地域に未発見種があるだろうと予想されます。

 問題はH. specksiiQueenstown地方とCathcart地方(Thomas River流域)とに生育しているのですが、両地域の群落に明瞭な差はないようです。群落数が多いので両地域で遺伝子プールを共有している可能性もありますが、何か見落としている差異があるかも知れません。とりあえず同一種にしましたがもう少し調査が必要に感じます。

 なお、H. specksiiExoticaの主人、Ernst Speck氏にちなむ名前です。Breuer氏は当初H. ernstiiと言う名を考えていたのですが、私が“Ernst”Kirstenbosch植物園のErnst Jaarsveld氏と混同される危険性を指摘して、H. specksiiとなったものです。

 全部は載せきれませんが、いくつかを地図上に表示すると次のようになります。各系統別だと良いのですが、時間がないのでとりあえずこれで位置関係を確認してください。



table4-blackbeardiana

table6


Dr. M. Hayashi









ブラックベルデアナとその近縁群(2/3)

(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました、1/3から順番にお読みください)



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table2-blackbeardiana
(図表はクリックすると拡大します)

 H. specksiiは当初H. blackbeardianaが無毛か少毛になった種だと考えられていましたが、後者に比べて葉色が濃く、窓は大きくて非常に透明です。特にWhittlesea地方の群落に見られる水羊羹のような、やや濃い緑色の非常に透明な窓は特異的な特徴で、この特徴はH. calaensisH. albans n.n. (St. Alban’s)とも共通します。


 H. blackbeardianaなど、H. teneraの子孫はみな白緑色肌で窓は半透明(濁っている)なのが共通の特徴です。したがってH. specksiiはどうもTenera complex(テネラ複合群、H. teneraの子孫群)の種ではないのではないか、という疑問が生じます。

 そこでこのような特徴の窓の植物を探すと、Riponの通称H. pringleiの中にこのような特徴の大きな窓を持つ植物が多数見つかります。H. pringleiは小型のH. blackbeardianaと言った感じの種で、肌色も窓の大きさもRiponの植物とはまったく異なります。したがってRipon周辺に多数あるこれらの群落をH. ripons n.n.としてこの仲間を整理すると前の図のようになります。これらはみなH. lapisの子孫で、Zuurbergの東~北側に展開したグループですが、今回はH. blackbeardianaH. specksiiに関係するものだけ解説します。

 H. riponsZuurbergの同様な窓を持つやや小型の植物(H. nubila n.n.H. indica n.n.)が平地に展開した種と見られ、さまざまな形質の群落が数百メートル間隔で点在しています。窓は平均して大きく、白緑色から濃緑色まで多様ですが、透明感はかなり強いです。

 またMBB 6557W Ripon)はH. obtusaに非常に良く似ていますが、この番号の植物を輸入(Sheilam、おそらくBayerの実生)しても他のRipon産植物とあまり違いません。同様の例はMBB 6922H. indica, Zuurberg)でも見られ、Sheilamから輸入した植物はUpdate-1:55に掲載された様な形態の植物にはなりません。産地では厳しい環境なのでUpdate写真のように詰まった形態になるのではないかと考えています。

H. hisuiH. obtusaH. riponsが浸透交雑した種と見られ、葉色はやや薄いですが、透明感の非常に強い大きな窓を持っています。これにH. hastataが遺伝子浸透したと見られるのがH. aoebis n.n.(青恵比寿)H. rufa n.n.(赤い)で、極めて美しい植物です。ただH. aoebisH. hisuiの特異個体なのか、H. hisuiとは別の群落として存在するのか、疑問なので確認中です。

さて、問題のH. blackbeardianaH. specksiiですが、これを次の表のように整理しました。表中の数字はBreuer氏の採集番号です。私の判定ですのでBreuer氏の判定 (The Genus HaworthiaBook 2)とは若干違いますが、参考にしてください。

また、この稿の図や表に出てくる未記載種の名前は私が便宜的に付けたものです。参照した標本の多くはBreuer氏のものですから、命名権は彼にあります。したがって彼が既に別の名前を用意しているとか、私の名前が気に入らないなどの場合は今後変更されることもあります。しかしこれまでのところ、Breuer氏は多くの種で私が提案した名前を採用してくれていますので、あまり多くの変更はないだろうと楽観的に見ています。


なお、この稿中のBreuer氏の採集番号の写真は基本的にBreuer氏が撮影したものです。同氏から使用許可を得て掲載しています。



(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました)


☆コメントは承認後に公開されます。
☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

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