ハオルシア フェステバル3

ハオルシアフェステバルに参加される方、特に出店や品評会への出展をされる方は下記リンク先のPDFファイルをご確認ください。

ハオルシアフェステバル会場 TRCの構内経路案内


たくさんのご参加をお待ちしております。

Calaensis

 calaensis IB12513  SW of Cala (Photo by Breuer)
写真1 H. calaensis IB12513  SW of Cala (Photo by Breuer)

 calaensis  MH 12-165=IB 12513  D=9
写真2 H. calaensis  MH 12-165=IB 12513  D=9

H. calaensisのタイプとなった株 (IB 12513, 写真1) はずんぐり頭のほとんどH. obtuseのような形態の植物です。ただしどうやらこれは特異個体だったようで、わたしがBreuerから入手した植物 (写真2)やその後STCから売り出された植物も同じ採集番号(IB 12513)ですが、葉先はずっと尖り、葉幅もやや細いです。しかし、深い緑色の非常に透明な窓は共通でこれがこの種の特徴かなとも思えます。

 calaensis IB 17453 SW of Cala (Photo by Breuer)
写真3 H. calaensis IB 17453 SW of Cala (Photo by Breuer)

H. calaensisにはタイプ群落近くにもう一か所産地があり、Breuerの“The Geneus Haworthia―Book 2” にはこちらの植物の写真 (IB 17453、写真3)が載っています。2つの産地の間は約6 kmしか離れておらず、また深い緑色の非常に透明な窓も共通なのでこの群落をH. calaensisとすることに問題はなさそうです。

5
写真4 H. calaensis  MH 12-166-1=IB 17453.  SW Cala  D=8.5

 calaensis  MH 12-166-2=IB 17453  D=6
写真5 H. calaensis  MH 12-166-2=IB 17453  D=6

 calaensis  MH  12-166-3=IB 17453  D=11
写真6 H. calaensis  MH  12-166-3=IB 17453  D=11

ところがわたしがBreuerから入手したIB 17453 (写真4~6) はより淡緑色で、窓の透明感もそれほど高くありません。つまりH. specksii等により近い植物だと言えます。あるいは鋸歯もより多いので、この点ではH. blackbeardianaにも近いと言えます。
どうやらCalaでは深い緑色の非常に透明な窓の植物からやや淡緑色でそれほど透明感の高くない窓の植物までが群落内に混生しているのではないかと思われます。もっとも『それほど透明感の高くない窓』といっても標準的なH. blackbeardianaH. specksiiよりはだいぶ透明なので、この点は問題なさそうです。

 Alban's, 80km SE Cala (Photo by Breuer)
写真7  H. albans (仮名)IB 7034, St. Alban's, 80km SE Cala (Photo by Breuer)

一方、BreuerがBook 2で“H. species” としているH. calaensis近似のいくつかの植物はいずれも新種だと思われます。例えば比較的良く普及しているSt. Alban’s の植物(IB 7034, 写真7.H. albans 仮名)はIB 17453に良く似ていますが、産地は80 km以上も離れていますから同一種ということはないでしょう。
Breuerの“H. species” の他にもこのような淡い色調の透明窓の植物群落が相当数あり、どうやらこれらはH. blackbeardianaH. specksiiとも異なる別系統の植物かもしれない、という可能性があります。あるいは位置づけが不明確だったH. hisuiの系統かもしれません。このグループの解析は今後の課題です。


Dr.M.Hayashi

Diaphana

 diaphana type clone
写真1 H. diaphana type clone

H. diaphanaは1986年に大桑氏がSheilam Nurseryから輸入した3株のGamtoos Valley 産植物(販売名はH. translucens)を命名したものです。産地的には最も近いと思われるH. venetia (Hankey)の仲間かと思われましたが、形態的にはむしろAlbany地方のH. pallensやより内陸部QueenstownのH. specksii、あるいはOld Thomas River roadのH. speciosa等に近く、その分類学的位置づけはかなり疑問がありました。

記載タイプになった大桑氏の3株はどうも同一クローンだったようで、形態的にはほとんど同じで何度交配しても結実しません。単一クローンとなると変異の幅がわからず、したがってこの植物が本当にこの種の群落から採集されたものなのか、もしそうだとしてこれはその群落の平均的個体なのか、特異個体なのか、あるいは近隣他種の特異個体なのか、はたまたH.pallensH. specksiiのラベル間違いなのか判断できないということになります。

高等動物など、近縁種群の変異の幅が分かっているグループでは1個体だけのサンプルでもそれが既存のどの種にも属さない、つまり新種だということが比較的容易に判定できます。H. diaphanaの場合も産地が正しければ、その周辺にこのような種が存在しないことは確かなので新種として記載しましたが、その後、単一クローンらしいということが明らかになったということもあり、もう少し補強データが欲しいと思っていました。


 diaphana clone 2
写真2 H. diaphana clone 2

 diaphana clone 3
写真3 H. diaphana clone 3


ところが大桑氏の他に阪井健二氏もそのころSheilamから同じ植物を輸入していて、産地名も販売名も同じその植物を最近2クローン入手しました。写真1はタイプクローンですが、写真2はより細長葉クローン、写真3はより短葉幅広型クローンです。

タイプ個体を含め、3クローンを並べてみると、H. diaphanaが確かに既存のどの種にも属さない独立種であること、タイプ個体は特異個体ではなくむしろ平均的個体だったこと、がわかります。

特に写真3の短葉幅広型はH. transiensとの関係を示していると考えられ、この植物が当初推定されていたH. venetiaなどよりむしろH. transiensに近縁らしいことがわかりました。葉先の透き通るような透明感はこれで説明できますし、H. pallensH. specksiiのグループとの違いの1つもここにありそうです(後者のグループの窓はより曇っている)。


 
 diaphana
写真4 H. transiens x H. diaphana



 'Skeleton Lace'
写真5 H. 'Skeleton Lace'

H. diaphanaH. transiensを交配すると、写真3よりさらにダルマ型の植物(よりH. transiensに近い。写真4)ができますが、窓は両者より曇っています。ただ単頭性でH. transiensよりずっと大きくなりそうなので、H. transeinsに戻し交配したらおもしろそうです。

スケルトンレース(写真5)もなんとなくH. diaphanaに感じが似ているので、あるいはその交配種かもしれません。


 


1986年ころに阪井健二氏から買った(またはSheilamから直接輸入した)Gamtoos Valley 産のH. translucensをお持ちの方が他にいらっしゃいましたらご一報ください。


 


なお写真3の植物は繁殖品が1、2本ありますので、フェステバルの交換会に出します。


Dr.M.Hayashi

☆コメントは承認後に公開されます。
☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

Access
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Comments
  • ライブドアブログ