Gelatina

 stayneri ex hort  D=5 (一般に流通している株とはやや異なる。)
写真1  H. stayneri ex hort  D=5 (一般に流通している株とはやや異なる。)

H. stayneri (写真1) はいまだ群落が再発見されていない植物のひとつで、類似種もほとんど知られていません。半透明なすりガラス状の三角窓とやや硬い葉質からは、この植物が軟質葉のH. gordonianaなどより、むしろLapis系のH. addoria n.n. 等に近いことがうかがえます。

またH. stayneriの産地(Port Elizabethから22kmのUitenhage (ユーテネイクと発音。”h”は無声音)に至る道路上)からAddoまでは約30kmなのに対し、H. gordonianaの産地まではおよそ80kmもあります。H. stayeriが産地的にもH. gordonianaよりH. addoriaにより近いことは確かです。

ところで最近H. stayneriの産地から数十キロ東でH. stayneriに似た植物が見つかっています。Breuerの“Book-2” (p. 63) にも紹介されているH. gelatina n.n.ですが、“Book-2” では写真が小さくて特徴が良く分かりませんので、大きな写真を紹介します。


 gelatinea  IB 8505, Coega Kop (Photo by Breuer)
写真2  H. gelatinea  IB 8505, Coega Kop (Photo by Breuer)

写真2 はBook-2掲載写真と同じものですが、大きな写真で見るとすりガラス状の半透明窓の特徴がH. stayneriと非常によく似ていることがわかります。葉先はより尖っていますが、その分、窓はより大きく、葉全体の1/3が窓です。葉先には葉脈も鋸歯も全くなく、凍ったゼリーのような感じがするので、"gelatin” と名付けられました。


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写真3  H. gelatina  12-170-1 = IB 8505  Coega Kop  D=7.5

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写真4  H. gelatina MH 12-170-2 = IB 8505  Coega Kop  D=3.5

写真3と4はわたしが昨年Breuerから入手した株で、鋸歯の大きさや窓の葉脈の様子が異なるので別個体と思われます。これらはまた写真2の個体とも異なります。いずれもH. stayneri 似の、あるいはそれ以上の美種です。ただ写真のデータにある通り、あまり大きくはないので、大型化が今後の課題です。


  MH 12-136  D=7
写真5 H. sp. nov.  MH 12-136  D=7

なおH. gelatina の産地の北、約50kmから80kmにかけてはH. gelatinaH. addoriaに関係する未記載の美種がいくつも存在しています。いずれもあまり大型ではなく、かつほとんど知られていませんが、極めて美しい仲間です。そのほとんどはBreuerの本にも載っていませんので、その一つを写真だけご紹介します(写真5)。この仲間は現在研究中ですので、もう少し様子が分かりましたら改めてご紹介します。


Dr.M.Hayashi

ハオルシア フェステバル3

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Calaensis

 calaensis IB12513  SW of Cala (Photo by Breuer)
写真1 H. calaensis IB12513  SW of Cala (Photo by Breuer)

 calaensis  MH 12-165=IB 12513  D=9
写真2 H. calaensis  MH 12-165=IB 12513  D=9

H. calaensisのタイプとなった株 (IB 12513, 写真1) はずんぐり頭のほとんどH. obtuseのような形態の植物です。ただしどうやらこれは特異個体だったようで、わたしがBreuerから入手した植物 (写真2)やその後STCから売り出された植物も同じ採集番号(IB 12513)ですが、葉先はずっと尖り、葉幅もやや細いです。しかし、深い緑色の非常に透明な窓は共通でこれがこの種の特徴かなとも思えます。

 calaensis IB 17453 SW of Cala (Photo by Breuer)
写真3 H. calaensis IB 17453 SW of Cala (Photo by Breuer)

H. calaensisにはタイプ群落近くにもう一か所産地があり、Breuerの“The Geneus Haworthia―Book 2” にはこちらの植物の写真 (IB 17453、写真3)が載っています。2つの産地の間は約6 kmしか離れておらず、また深い緑色の非常に透明な窓も共通なのでこの群落をH. calaensisとすることに問題はなさそうです。

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写真4 H. calaensis  MH 12-166-1=IB 17453.  SW Cala  D=8.5

 calaensis  MH 12-166-2=IB 17453  D=6
写真5 H. calaensis  MH 12-166-2=IB 17453  D=6

 calaensis  MH  12-166-3=IB 17453  D=11
写真6 H. calaensis  MH  12-166-3=IB 17453  D=11

ところがわたしがBreuerから入手したIB 17453 (写真4~6) はより淡緑色で、窓の透明感もそれほど高くありません。つまりH. specksii等により近い植物だと言えます。あるいは鋸歯もより多いので、この点ではH. blackbeardianaにも近いと言えます。
どうやらCalaでは深い緑色の非常に透明な窓の植物からやや淡緑色でそれほど透明感の高くない窓の植物までが群落内に混生しているのではないかと思われます。もっとも『それほど透明感の高くない窓』といっても標準的なH. blackbeardianaH. specksiiよりはだいぶ透明なので、この点は問題なさそうです。

 Alban's, 80km SE Cala (Photo by Breuer)
写真7  H. albans (仮名)IB 7034, St. Alban's, 80km SE Cala (Photo by Breuer)

一方、BreuerがBook 2で“H. species” としているH. calaensis近似のいくつかの植物はいずれも新種だと思われます。例えば比較的良く普及しているSt. Alban’s の植物(IB 7034, 写真7.H. albans 仮名)はIB 17453に良く似ていますが、産地は80 km以上も離れていますから同一種ということはないでしょう。
Breuerの“H. species” の他にもこのような淡い色調の透明窓の植物群落が相当数あり、どうやらこれらはH. blackbeardianaH. specksiiとも異なる別系統の植物かもしれない、という可能性があります。あるいは位置づけが不明確だったH. hisuiの系統かもしれません。このグループの解析は今後の課題です。


Dr.M.Hayashi

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