ブラックベルデアナとその近縁群(1/3)


(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました、1/3から順番にお読みください)


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 昨年秋にH. blackbeardianaH. specksiiとの違いについて質問があり、私も気になっていたので調べてみました。思った以上に錯綜した仲間だったので、時間がかかりましたが、以下のように整理しました。

 

 まず最初に説明しておかなければならない点は、ハオルシアの花粉媒介昆虫のことです。最近この問題を現地で精力的に調べている若手研究者のGrenier氏によれば、ハオルシアの主な花粉媒介昆虫はミツバチではなく、beeflyと呼ばれているハチに良く似たハエだということです。このハエは私もハオルシアの群落で良く見かけましたし、一方でミツバチはあまり見かけませんでしたから、Grenier氏の指摘はおそらく正しいでしょう。

 ミツバチは花粉媒介昆虫の中では最も飛翔力が高く、その活動範囲は巣を中心に直径8 kmと言われています。これに対し他のアブやハエの活動範囲は直径1km以下とされています。しかし巣に戻る必要がないので、風に流されれば数kmは移動するでしょう。日本でも標識を付けた小型のチョウが10 km先で再捕獲されたという記録があるということなので、これらの小型昆虫は最大10 km程度は移動すると見て良いでしょう。

 ただしこれらの小型昆虫が10 km離れた2つのハオルシア群落の花粉を頻繁に媒介(交換)するわけではありません。あるハオルシア群落の花粉を付けた小型昆虫が風に流されて、途中他の植物のどの花にも停まらずに10 km先のハオルシア群落にその花粉を運ぶ確率は極めて低いでしょう。また仮にそのようなことがあったとしても、その程度の頻度では遺伝子の頻繁な交換、すなわち遺伝子プールがその2つの群落間にあるとは言えません。

 このような現象は浸透交雑の原因にはなりますが、種の同一性保持(遺伝子プールの共有)には役立ちません。したがってbeeflyなど、ミツバチ以外の小型昆虫が頻繁に花粉媒介できる範囲はせいぜい数kmの範囲と考えてよさそうです。

 同じことは種子散布でも言えます。ハオルシアの種子は軽いので強風に乗れば10 km以上移動すると考えられます。しかし10 km以上離れた2つの群落が遺伝子プールを共有していると言えるほど頻繁にそのような事象がおこることはないでしょう。

 つまりハオルシアの場合、途中に同種の群落がなければ、ある種の地理的な範囲(頻繁な遺伝子交換が可能な範囲)はおおむね直径数km以下と考えて良いということです。

  またもう一点、私の分類では産地間に数km以上距離があり、群落間に形態上差が認められる場合は、とりあえず別種として名前を付けると言うのが基本方針です。その後中間的群落が見つかったり近隣の種と連続的であることが分かった結果、近隣種と同一種であると訂正されることはあり得ますが、まずは名前がなければ議論に不便です。産地名と採集番号で議論するのは全く煩雑ですし、もし後に同一種だとなっても、その名前は群落を区別したり、品種名として使うことが出来ます。便利さも分類学の重要な要素です。

 さてH. blackbeardianaグループの場合、Cradockの南からAliwal NorthQueenstown北方)までおおよそ150 kmに渡り分布しており、これらの範囲すべてで数kmごとに同類の群落があるとは考えられません。そこには当然複数の遺伝子交換可能な群落の集合=種が存在すると見られます。

 一方で、この地域には質問にもあったH. blackbeardianaH. specksiiのように、形質がかなり異なった種もあり、これらが同じ系統の種なのかという疑問もありました。

 そこでこれまでH. blackbeardianaH. specksiiとされてきた群落を中心に、系統を大きく整理すると、次の図のようになります(赤字は未記載種)。まずH. teneraの系統です。




table1-blackbeardiana
(図表はクリックすると拡大します)



H. blackbeardianaH. teneraからH. pringleiH. vittataを経て内陸で大型化した種で、この仲間は軟質な葉と鋸歯、薄緑~黄緑の葉、不透明で濁った小さな窓などが共通です。窓の葉脈は表皮の延長で、ガラス質の中に沈み込みません。

 近縁の系統には、H. blackbeardianaLapis系の紫色を帯びた種群(H. sabrina n.n. Kommadaggaなど)が浸透したViolacea系があります。Cathcartの東の紫味を帯びた群落はすべてH. malvina n.n.です。しかしH. malvinaはその祖先と見られるH. violaceaCradockの南)やH. turcosaSheldonの東)からは100km以上離れており、おそらくこの間にはこの系統の未発見種が複数あると予想されます。なおH. innocens n.n.  Tafelberg, MiddelburgH. malvinaとは別方向へ分岐した種と見られます。


(編集者註:記事容量が大きいため3つに分割しました)


ハオルシアニュース28号発送について

ハオルシアニュース28号とハオルシアフェスタ2014のチラシが発送されました。

また今春以降にご入会の方でハオルシア研究27号をお送りしていなかった方には合わせて同封しました。

週末までにはお手元に届く予定ですが、週が明けても届いていない場合はご一報ください。

 

なお、2012年度会費未納の方にはお送りしていませんので(2013年度から入会の方にはお送りしています)、お心当たりのある方で継続購読ご希望の方はご連絡ください。


ハオルシア フェスタ 2014

2014年度のハオルシアフェスタの開催が決定致しました。
詳細は以下になります。

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ハオルシア フェスタ 2014

ハオルシア日本一を決める品評会とサボテン・多肉植物のバザールやオークション

どなたでも参加できます。お誘い合わせのうえお出かけください。

2014420() 午前920分より

国際ファッションセンター3F KFCホール annex

東京都墨田区横綱 1-6-103-5610-5801)。両国第一ホテルと同じ建物です。


午前920分 受付開始 (品評会出展、バザール出店、オークション出品)

   入場料:500円 (入場券を発行します。再入場可)

   品評会出展料:500円/1人(出展点数に制限はありません)

出展受付は午前10;30まで。出展作品はハオルシアに限ります。


午前9:20~午後4時まで=バザール (誰でも出店できます。会場約100坪)

   出店料=20141月末日までに申し込み、払込の場合:会議机1卓 1万円

当日受付の場合:会議机1卓 1万5千円 

   複数人で1卓出店でも同額。サボテン・多肉・ハオルシア等、何でも販売可。

   出店者は午前9:00から入室できます。(搬入用貨物エレベータ有り)


午前11:0011:30 品評会投票。(投票は受付先着300名まで)

昼食は各自で取ってください。建物内外に和//中華/喫茶/コンビニ等各種店舗あり。


午後1:001:30 品評会表彰  

日本ハオルシア大賞(2014) 金賞3万円、銀賞2万円 銅賞1万円。

   部門賞(5千円):①万象、②玉扇、③ピクタ/スプレンデンス、

④コレクタ/コンプト、⑤その他レツーサ系、⑥オブツーサ他軟葉系、

⑦硬葉系、⑧~⑭上記各部門の斑入り。計14部門

   作品の経歴は問いません。各部門ともその種に近い交配種を含みます。

日本ハオルシア大賞は投票結果により決定します。

部門賞は選考委員が選びます。一定レベル以上でない部門は入賞該当なしの場合があり、反対に優秀作品多数の場合は複数点入賞の場合もあります。

1人何点でも入賞できますが、賞金は最も高額のもの1点のみとします。

優秀作品はハオルシア研究誌に掲載されます。他誌掲載は承諾を得てください。


午後1:004:00 オークション(セリ会)

   出品はサボテン・多肉植物も可。10点まわし。分金10%。落札時現金決済。


主催:ハオルシアフェスタ実行委員会 (出店や懇親会の申し込みは info@haworthia.net へ)

後援:日本ハオルシア協会  協力:ハオルシアアカデミー


懇親会のお知らせ

4月19日(土) 午後7時より 両国第一ホテル25Fの和食レストラン「さくら」にて。

会費:料理代+千円(当日徴収)。すき焼き、ちゃんこ料理など、3千円~3600円の料理にビール1本程度付き。スカイツリーを真近に望む素晴らしい夜景も楽しめます。

普段顔を合わすことのない地方の会員の方はぜひ参加され、懇談に花を咲かせてください。

申し込みは3月末日まで。料理の希望はネットで検索して申し込み時にお知らせください。

宿泊のご案内

遠方から参加される方には会場と同じ建物に両国第一ホテルがあります。

るるぶやじゃらん、JTBなどで申し込むとシングル1泊朝食付きで6千円台からです。

各自でお申し込みください。

車の道順

首都高速7号小松川線 錦糸町出口を降り、北に向かって少し進んで京葉道路(国道14号)を左折して都心方面に進み、緑1丁目信号を右折して清澄通りに入るとKFCビル(両国第一ホテル)駐車場入り口があります。(反対車線からは入れませんのでご注意)

駐車場(地下)

136台収容。30250円。荷捌き場もあります。ホテル宿泊の場合、24時間2千円です。

会場道順JR総武線両国駅東口歩6分。都営地下鉄大江戸線両国駅0(直結)

車での道順

会場案内

KFCホール平面図


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☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

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