リビダのタイプ

 リビダは非常に人気のある品種群ですが、いろいろ集めてみると窓の状態などにより、どうも次のように斑紋型、網紋型、カメオ型の3タイプがありそうです。

斑紋型
 リビダとして日本で見られるものの大部分はこれで、小型短葉、葉はおおむね展開性(横に広がる)です(写真1~4)。窓は小さな斑紋状で互いに連結しない個体が多いですが、中には斑紋が大きくて葉脈が格子状に残る個体(写真3、4。2018年7月のブログの写真1、2と同一個体)もあります。ただこの場合でも斑紋はほとんど連結しません。

(1) MH 10-164 (寺町輸入)D=7.5
 写真1 MH10-164(寺町輸入)D=7.5

(2) MH 14-137 = JDV 88-31  D=6
 写真2 MH14-137(=JDV88-31) D=6

(3) MH 17-37 = JDV 88-31  D=4.5
 写真3 MH17-37(=JDV88-31) D=4.5

(4) MH 16-140 = JDV 88-31 D=6
 写真4 MH16-140(=JDV88-31) D=6


網紋型
 写真5~7は日本(おそらく他国でも)ではほとんど見られないタイプで、葉はやや細く長く、立性(葉は直立する)です。特筆すべきは非常に大きな斑紋で、多くの部分で連結して格子状の窓を形成し、斑紋というより網紋という方が適当です。窓の透明部分が大きいため、葉全体が透けたように見え、さらに葉が長くて立ち性なことも窓を鑑賞するうえで非常に好都合です。

(5) MH 17-35 = JDV 88-31  D=6
 写真5 MH17-35(JDV88-31) D=6

(6) MH 17-36 = JDV 88-31  D=6
 写真6 MH17-36(=JDV88-31) D=6

(7) MH 14-40  Marx 実生 D=6
 写真7 MH15-40 Marx実生 D=6


カメオ型
 写真8はカメオと名付けられた個体で、この写真は協会ホームページの冒頭にも使われているので多くの方がご覧になっていることと思います。おそらくもっとも初期に日本に来た個体ですが、タイプ的には非常に稀なタイプです。大型太葉で斑紋が大きく、時に連結しますが、あくまで斑紋で、格子状窓にはなりません。
 このタイプに属するのはカメオの他には私の知る限り、Battistaの個体(写真9)がいくつかあるだけです。

(8) H. livida ’カメオ’
 写真8 H. livida ’カメオ’

(9) MH 14-33  Battista-3  D=5.5
 写真9 MH14-33 Battista-3 D=5.5

 写真10はリビダ系交配種で、大型で非常に大きな斑紋が葉の表裏全面にある個体です。写真4の個体に似ていますが、斑紋に稀に肉芽があることから交配相手はゴジラ(大型強刺パリダ)ではないかと疑われます。ただリビダとパリダは通常は花期が合いませんので、別組み合わせの可能性もあります。

(10) リビダ系交配 D=8
 写真10 リビダ系交配 D=8

ところで写真2から6までの5個体は2014年から2017年にかけてJDV 88-31として輸入した個体です。つまりJ. D. Venterが1988年に同一群落から採集した個体、またはその繁殖品です。

そうすると斑紋型と網紋型は同一群落に生えていたことになるわけですから、日本国内に出回っているリビダの大部分が斑紋型だとしても、それら同士の交配実生苗の中からでも網紋型が出現する可能性はかなりあるはずです。観賞上(園芸上)、網紋型の方が高く評価されるでしょうが、リビダの実生がたくさん作られれば、その中の網紋型リビダもいずれ市場に出回るようになると期待されます。

 リビダは人気品種のため、まだかなり高価ですが、葉挿しは意外と容易で、また結実性もそれほど高くはないですが紫オブトやベヌスタよりはずっと良く結実します。したがって斑紋型はもちろん、網紋型もいずれ繁殖されて価格は低下していくはずです。

カメオ型は親個体が非常に少ないので、急速な繁殖は難しそうですが、結実性は非常に良いので、これも時間がたてば繁殖されていくでしょう。

 なおリビダの祖先はプベセンスと見られますが、プベセンスの中には写真11のように表皮が非常に薄くなり、表皮の一部が不明瞭ながら斑紋状の窓になっている特異個体があります。この斑紋状の部分が発達してリビダになったのではないかと思われます。

(11) H. pubescens MH 16-142  D=4.5
 写真11 H. pubescens MH16-142 D=4.5

 写真11の個体は2018年7月のブログの写真3で、「プベセンスとして輸入したが、斑紋状の窓が出てきたのでどうもリビダらしい」と紹介した個体です。それからちょうど1年後の写真というわけですが、プベセンスの特徴である細かな繊毛が非常に顕著になっており、やはりこれは輸入時の名前の通りプベセンスと見るのが妥当なようです。

 産地的にはプベセンスとリビダは同じ丘に生えており、混生はしていないようですが、このような中間型個体がどの程度あるのか、種、あるいは群落としてどの程度分離されているかなどは今後の調査が必要です。

ブログのコメントへの回答(登録商標について)2

前回の「ブログのコメントへの回答(登録商標について)」の記事(→リンク)に質問コメントを頂きましたので、こちらで回答します。

コメント:
「余剰苗をyahooオクで売り買いしている、趣味者です。
ブログコメント回答文中に商標の使用料が発生する基準となる売上額はハオルシアだけでなく、多肉植物全体とありました。
サボテンも多肉植物科に属し、商標の使用料が発生するでしょうか。
又、サボテンも商標登録がしてあるのでしょうか。何も判らないので不安です。」


回答:
当会で商標登録してるのはハオルシアだけで、他のサボテン、多肉植物で登録している商標はありません。
したがってサボテンに限らず、他の多肉植物では当会の商標を気にする必要はありません。(*注

売上高の基準が多肉植物全体になっているのは、ハオルシアの愛好家はハオルシアだけでなく、他の多肉植物も一緒に栽培している方が多く、その中で、ハオルシアの売上だけを区分して計算するのは煩雑だという事情によるものです。

包括契約というのはそのような場合に、個々の登録商標の使用回数や、商標登録された苗の売上を計算する代わりに、そのグループ全体の売上の何パーセントが登録商標の使用料に相当するかを包括的に推定して、その割合で使用料を支払っていただく制度です。

個々の使用者により、その割合は当然相違しますが、当会ではおおむね多肉植物全体の売上の2%が商標使用料に相当すると見ています。ハオルシアの栽培割合の少ない方なら実額はこれより低くなるでしょうが、ハオルシアは他のサボテン、多肉植物よりかなり高額なので、金額ベースで計算すれば大部分の方は2%以上になるだろうと見ています。

ただし、多肉植物の売上が年30万円未満の方はID登録(使用許可)をしていただければ商標使用料は無料ですし、30万円を多少オーバーしても気にする必要はありません。
また多肉植物の売上が年30万円以上の方は会員登録(ID登録を含む)をしていただけましたら、年間売上500万円までは無料で当会商標を使うことができます。

多肉植物の販売額がそれほど多くない方は、当会商標登録をあまり気にする必要はありません。正しい品種名を使っていただければ目くじらを立てるつもりもありません。

しかし業界優先名などの異名を使って販売し、品種名統一に反対する悪徳業者に協力していると思える方(大部分はセミプロ)には厳しく対処します。

*注:(なお、初期の登録では、例えば「Livida」(リビダ)の指定商品区分は「植物,草,苗,種」となっており、他のサボテン、多肉植物に限らず植物全般で「Livida」(リビダ)という名を使うには本来は使用許可が必要です。
しかし当会はハオルシア以外の他の植物については「Livida」(リビダ)という名を無料開放していますので、その場合は自由に使うことができます。)」

ブログのコメントへの回答(登録商標について)

「登録商標について(追加)」の記事(→リンク)へ、以下のコメントを頂きました。
長くなりますのでこちらで回答します。

コメント:
「趣味の範囲でヤフオクでの売り買いを楽しんでいますが、自分が去年どれだけハオルチアで売り上げているのか、調べてみましたが確認が取れません。ヤフオクをみてみましたがシステム上では、売り上げ自体も2018年の7月分までしか遡れませんし、かつ遡れたとしましてもほかの趣味の売り上げと合計されているので、ハオルチアのみの正しい売り上げ金額が出せないのですが、ハオルシア協会様はどのようにして個人のIDの「ハオルチア」としての売り上げを確認されるのでしょうか?自己申告制ですか?確認方法があれば私も知りたく思いますのでぜひ教えて頂けると幸いです。」

回答:
売り上げは自己申告制で、だいたいの金額で結構です。当会の商標登録は正しい品種名を使っていただくのが目的ですから、非会員でもID登録(使用許可)をしていただければ売り上げが年間30万円を大幅に超えない限り問題にはしません。なお基準となる売上額はハオルシアだけでなく、多肉植物全体です。

また当会会員の方はID登録をすれば、売り上げが年間500万円までは無料ですから、大部分(99%)の会員は当会商標を無料で使用できます。

一方、会員、非会員を問わず、ID登録をされない方は当会商標の使用許可を得ていませんので、売り上げが30万円を超すと無断使用料(6月10日のブログ参照)を請求されます。ヤフオクなどは毎日チェックして画像記録を取っていますので、売り上げが30万円を超えないようご注意ください。

お尋ねのように、どの登録商標のハオルシアをどれだけ売ったか、ということを正確に把握するのは当会はもちろん、売った当人でも相当に難しいです。そのような場合、個々の商標の使用料に代えて売り上げ全体の何パーセントくらいが商標登録商品かを包括的に推定し、その割合に応じて使用料をお支払いいただくのが包括使用料金です。

もちろん、多肉植物の売り上げ全体の何パーセントくらいが登録商標商品かは個人個人で大きく違うでしょうが、当会では金額ベースでおおむね20%くらいと推定しています。さらにその10%が登録商標の使用料をすると、多肉植物の売り上げ全体の2%が商標の包括使用料となります。

ただし無料の方でもID登録をしていただかないとその出品者が商標の使用許諾を取っているのか、無断使用かがわかりませんし、商品表示に誤りや不適切な点があった場合に連絡ができません。したがって会員、非会員を問わず、ID登録(使用許可)は必ず行ってください(住所氏名や連絡先も)。

多肉植物の売り上げが年間500万円以上の方は完全な業者ですし、サボテン業者か、一般園芸店かなどの業態によっても登録商標商品の扱い割合は大きく異なりますから、商品構成など個別の条件を勘案した個別契約となります。


☆コメントは承認後に公開されます。
☆品種等の質問はハオルシア協会会員に限定します。

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